ビオスリーってどんな薬?医療用と市販薬の違いを整理してみた
整腸剤の中でも人気の高い「ビオスリー」について、成分の特徴や医療用・市販薬の違いをまとめます。特に調剤変更のときに知らないとヒヤリハットになりやすいポイントがあるので、実務目線で確認していきます。対象読者は服薬指導・調剤にあたる医療従事者を想定しています(2026年8月時点の情報)。
ビオスリーとはどんな薬?
成分の特徴
ビオスリーは、腸管の部位ごとに役割の異なる3種類の生きた菌を組み合わせた整腸剤です。
- 糖化菌:主に小腸上部で働き、乳酸菌やもともと腸にいるビフィズス菌の増殖を助ける
- 乳酸菌(ラクトミン):小腸下部〜大腸で働き、酪酸菌の増殖を助ける
- 酪酸菌:主に大腸で働き、大腸のバリア機能に必要な粘液の分泌をうながす。別名宮入菌とも呼ばれ、芽胞を形成しているため胃酸や消化酵素、抗生物質の影響を受けにくいのが特徴
この3菌には共生作用があり、互いの増殖を助け合うことで、小腸上部から大腸まで幅広い範囲に効果が期待できるとされています。
ビオスリーの特徴
- 便秘にも下痢にも効果が期待できる
- 小腸〜大腸まで広い範囲に効果が期待できる
- 酪酸菌(宮入菌)が胃酸に強く、生きた菌が腸までしっかり届く
- 噛んで服用しても良い
- 妊婦・授乳婦も服用できる(心配な場合は医師・薬剤師に相談を)
- 市販薬の散剤は生後3ヵ月〜服用できる(医療用も小児に使用可能)
- 医療用にはOD錠がある
- ジェネリックはまだない

ビオスリーって成分も剤形もいろいろあるんですね。医療用でよく比較される薬ってありますか?



ミヤBMがよく比較されますね。一緒に確認してみましょう。
ミヤBMとの違いは?



ミヤBMも酪酸菌製剤ですよね。ビオスリーと何が違うんでしょう。



一番大きな違いは配合されている菌の種類です。
ミヤBMは酪酸菌(宮入菌)単独の製剤で、錠剤と細粒があります。
一方ビオスリーは、先ほどの糖化菌・乳酸菌・酪酸菌の3菌配合ですね。



配合量そのものも違うんですか?



酪酸菌の配合量で見ると、ミヤBMのほうがビオスリーよりも多く配合されています。
ただ、酪酸菌は乳酸菌と一緒に摂ることでより効果を高めるといわれているので、ビオスリーは酪酸菌単独の配合量では劣っても、その分を乳酸菌・糖化菌との組み合わせで補っている、という設計思想のようですね。



なるほど、単純に配合量だけでは比較できないんですね。



そうなんです。抗菌薬と併用したい場面では、
芽胞を持ち抗生物質の影響を受けにくい酪酸菌(宮入菌)が単独で配合されているミヤBMが選ばれやすい、というような使い分けもあるようです。
医療用と市販薬って違うの?



医療用のビオスリーと市販のビオスリー、
成分自体は同じなんでしょうか。



1錠あたり、また1gあたりの成分量で見ると、
市販薬と医療用はほぼ同じです。
製造販売元も同じ東亜薬品工業なんですよ。



ということは、医療用と同じような効果を市販薬でも期待できるってことですか?



そう考えて良いと思います。
医療用はあくまで疾患に対する治療薬として処方されるものですが、市販薬で試してみたい患者さんには、市販薬でお試ししてもらうという選択肢もありだと思います。
Amazonなどでは定期便もあるので、継続したい方にはお得ですね。
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医療用の調剤変更の注意点(ヒヤリハット)



錠剤が苦手な患者さんに散剤を提案したり、逆に散剤より錠剤がいいという患者さんに変更を提案したりすること、よくありますよね。普通は成分量で一致するように換算すればいいんでしょうか。



そこ、実はビオスリーだとそのままではダメなんですよね
添付文書を確認してみましょう。



成分量だけで比べると、配合散1g⇄錠剤5錠になりますよね?



はい、単純な成分量の比較だとそうなるんですが、それは誤りです。
添付文書の成分量の欄をよく見ると、下に注意書きがあります。
*ビオスリー配合散1gとビオスリー配合錠2錠及び
ビオスリー配合OD錠2錠がほぼ等しい生菌数となるように調製している。



え、成分量の記載と、実際の生菌数が比例していないってことですか?



そうなんです。
記載されている成分量と、実際に効果を持つ生菌数は必ずしも比例しないため、一般的な成分量の比較では剤形間の同等性を判断できません。
添付文書の注記に従うと、変更する際は配合散1g⇄錠剤2錠が正しい換算になります。



成分量だけで換算すると2.5倍も多く出してしまうところでした……
市販薬はどうなんでしょう。



市販薬も見てみると、散剤の成分量は医療用と同じですが、錠剤のほうは市販薬の1錠あたりの成分量が医療用より多くなっています。
ただこれも生菌数で比べると、市販薬と医療用は1錠あたり同じになるそうです。
これはメーカーへの問い合わせに対する回答で確認できた内容です。



じゃあ、医療用を使っていた患者さんが市販薬に切り替える場合も、同じ服用数で続ければ同じくらいの効果が期待できそうですね。



そう言えると思います。
剤形を変更するときは「成分量」ではなく「生菌数」で考える、というのがビオスリーのポイントですね。
ビオスリーまとめ
- 胃酸に強い3つの善玉菌(糖化菌・乳酸菌・酪酸菌)の配合薬
- 便秘にも下痢にも効果が期待できる
- 小腸〜大腸まで幅広い範囲をカバーする
- 剤形を変更する際は成分量ではなく生菌数で比較する(散剤1g≒錠剤2錠)
- 医療用と市販薬はほぼ同じ成分量(製造販売元も同じ)
- 噛んで服用しても良い(医療用にはOD錠もある)
- 妊婦・授乳婦も服用できる
- 市販薬(散剤)は生後3ヵ月〜服用できる(医療用も小児に使用可能)
- ジェネリックはまだない



薬剤師としては、変更調剤のときにうっかり成分量だけで換算してしまいそうなポイントだと思います。
相互作用や副作用がほとんど報告されていない薬なので、子どもからお年寄りまで使いやすい整腸剤ですね。


参考文献・情報源
- ビオスリー配合散・配合錠・配合OD錠 添付文書(組成・性状)
- ビオスリー配合錠 添付文書情報(KEGG MEDICUS)
- ビオスリーH 添付文書(PMDA)
- ビオスリーH Q&A(アリナミン製薬)
- ビオスリーのご紹介(東亜薬品工業)
- ミヤBM、ビオR、ビオスリーの何が違う?菌種と使い分けガイド(m3.com 薬剤師コラム)
- 酪酸菌(宮入菌)について(ミヤリサン製薬)
免責事項:本記事は一次情報に基づく情報提供を目的としており、診断・治療・服薬指導の代替ではありません。医療従事者の方は、必ず最新の添付文書・インタビューフォームでご確認のうえご判断ください。一般の方は自己判断で薬の選択・服用・中止をせず、必ず医師・薬剤師にご相談ください。体調に異変があれば速やかに医療機関を受診してください。本記事の情報利用により生じたいかなる損害についても、筆者は責任を負いかねます。









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