こんにちは。
今回はカロナールについてのまとめです。
カロナールというとどんなイメージですか?
子供からお年寄りまで使える優しい解熱鎮痛剤?
いろいろなイメージがあるかと思いますが、
誤解されがちなこともあるのでその辺りも含めて特徴をまとめました。
カロナールとは?
カロナール(成分名:アセトアミノフェン)
というわけで成分はアセトアミノフェンでカロナールは商品名にあたります。
例えば、絆創膏(一般名)に対する
バンドエイド®️(商品名)と同じような感じでしょうか。
実は、アセトアミノフェンの医薬品は他にもたくさんあります。
例えば錠剤なら
アセトアミノフェン「マルイシ」
アセトアミノフェン「三和」
アセトアミノフェン「武田テバ」
アセトアミノフェン「JG」
アセトアミノフェン「トーワ」
アセトアミノフェン「タカタ」
アセトアミノフェン「TCK」
アセトアミノフェン「NP」
たくさんありますね〜
これらはカロナールと同じ成分だし
規格が同じなら薬価も同じです。
ちなみにカロナールを含め、これらはどれもジェネリックになります。
アセトアミノフェンは消炎効果を持たない解熱鎮痛剤で
市販薬でもとてもよく使われる成分です。
市販薬では昔からACE処方と呼ばれる痛み止めに多く使われています。
ACEとは
A:アセトアミノフェン
C:カフェイン
E:エテンザミド
つまり効き目を強くした配合薬です。
他にもイブプロフェンとの配合や、市販は配合薬が多いです。
単剤ではタイレノールが有名ですが、
最近はコロナの影響もあり、他にも単剤が増えました。
ちなみに、市販薬では子供に対する解熱鎮痛剤は限られており
アセトアミノフェンが主流ですが
医療用ではイブプロフェンなども子供に使われます。
イブプロフェンは、熱や痛みだけでなく炎症にも効果が期待できる鎮痛消炎剤です。
海外では子供用のイブプロフェンは市販でよく売られていますが
日本の市販薬では子供用のイブプロフェンは認められていません。
効果効能・用法用量
〈頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分娩後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、変形性関節症〉
1回300~1000mg、投与間隔は4~6時間以上。 〈急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)〉 1回300~500mgを頓用。 〈小児科領域における解熱・鎮痛〉 体重1kgあたり1回10~15mg投与間隔は4~6時間以上。 |
このように用量を見てもらうと分かりますが、
用量の幅がとても大きいですよね。
適応症や年齢によっても異なります。
そのため、医師によってかなり使い方に幅が出やすいお薬です。
カロナールの誤解①
カロナールについて誤解されている方が多いと感じることについて取り上げてみます。
これは一般の方のみならず、医師や薬剤師でも誤解していることがあるようです。
まずこちら
というのは誤解!!
坐剤(ボルタレンサポ25mg)の Tmax:0.81
坐剤(カロナール400mg)の Tmax:2.4
坐剤(カロナール400mg)の AUC:25.32
坐剤(カロナール400mg)の T1/2:4.30
アセトアミノフェン坐剤の使い方豆知識
どちらを先に使った方がいいかと聞かれたら、ダイアップ坐剤⇨アセトアミノフェン
の順番にする必要があ流ということが知られています。
アンヒバ坐剤(アセトアミノフェン)の基剤はハードファット(油脂性)である。 ダイアップ坐剤(ジアゼパム)の成分は脂溶性のため、アンヒバ坐剤を先に使うと、直腸内腔に融解・拡散している油脂性基剤の中にジアゼパムが取り込まれるため、初期吸収が阻害され有効血中濃度に到達するのに時間を要し、また十分な効果が得られない可能性がある。 |
カロナールの誤解②
『カロナールは先発じゃないんですよ〜
だから先発と言われても先発はないので、アセトアミノフェンでもいいですね!』
はちょっとまった!です!
一般の方には先発品のイメージがあるカロナールですが、
ほとんどが後発品(ジェネリック)になります。
それを知っている薬剤師は、カロナール=後発品を思い込んでいる方がいますが、
実は剤形によって異なります
ちなみに、カロナールと同じように先発品のふりをした(?)後発品は他にもありますね。
代表的なものとしては
・メチコバール
・マグミット
・バイアスピリン
などですが、これらも後発品になります。
ただ、カロナールはちょっと例外があります
2022/8現在
そう、坐剤のみ全てのカロナールが先発品です。
だから「カロナールは後発品だもんね!」
と思っている薬剤師も多いのですが、
後発品扱いしていいのは内用薬のみです。
内用薬とはこの3つ
・カロナール錠
・カロナールシロップ
これは先発でも後発でもないので注意が必要です。
・アンヒバ坐剤
・アルピニー坐剤
もうカロナール全部後発品でいいじゃん!
カロナールの効き目は持続するの?薬物動態の話
以前定常状態について学びました。詳しくはこちら
カロナールも同じように計算してみました。
結論としては
1日3回以上の回数で服用すれば定常状態になり
1日2回以下では定常状態にならないという結果でした。
このことについてインスタでまとめています。
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ただ、カロナールは用法用量を見ていただければわかると思いますが、
用量幅がとても大きいんですね。
成人の場合は1日最大量が4000mgにもなります。
というわけで、
1回400mg、500mg程度のデータでは実際の血中濃度は分かりません。
インタビューフォームを確認すると中毒域についての記載があります
成人では、10~15g(150~250mg/kg)のアセトアミノフェンを一度に内服すると肝毒性が起こり、 20~25gまたはそれ以上では致命的になる可能性がある。 別の文献では、アセトアミノフェン接種 4 時間後の血中濃度が 300μg/mL を超える時激しい肝障害を生 じるが、120μg/mL 以下ならば生じないとされている |
とあります。
ということは、
成人50kgの人の場合12500mgを一度に服用すると肝毒性があるということになります。
ここまで高用量になることはあり得ませんが、
とはいえ、最高量の4000mgを継続するというのもちょっと怖いですね。
ここで、『警告』を確認してみましょう。
本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあることに注意し、1日総量1500mgを超す高用量で長期投与する場合には、定期的に肝機能等を確認するなど慎重に投与すること |
とありますので、やっぱり4000mgを継続というのは危険な感じがしますね。
続けるのであれば1500mg程度で、それも定期的に肝機能検査をしなくてはいけません。
アセトアミノフェンが選ばれがちですが、
もちろん肝機能に注意が必要だし、
腎機能が低下時にも代謝に影響するため、
肝機能に問題なければ良いというわけでもないですね
カロナール食事の影響について
カロナールの経口投与には、
どれも『空腹時の投与は避けさせることが望ましい。』
の一文が記載されています。
空腹時に服用することも可能です。
消化性潰瘍が悪化する恐れもあるとされています。
糖分の多い餡、クラッカー、ゼリーや炭水化物を多く含む食事とともに服用すると、炭水化物と複合 体を形成してアセトアミノフェンの初期吸収速度が減少する。吸収量は変わらないが、急速な効果を望 むときはこれらとともに服用しない方がよい。 |
もう少し詳しい解説があるのでインタビューフォームをご確認ください
というわけで、糖分と一緒に服用すると効き目が出るまでに時間がかかるかもしれない
ということになりますね。
つまり、特に胃腸障害はなければ、とにかく早く痛みや熱を和らげたい場合は
空腹時に服用した方が効果は早いかもしれない。
また、甘いジュースなどで飲むのは若干効果の発現が遅れるかもしれない。
と言えるかもしれません
とは言え、どの程度遅れるのかはよく分かりません。
効き目を最大限にするために空腹を狙う必要もないですし、
逆に消化器に問題がないのに、無理して食事をしてから服用する必要もないお薬だと思います。
カロナールと同じ成分の市販薬
2022年度版
動画にしてインスタにアップしています。
もし興味がある方はこちらをどうぞ。
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カロナールのまとめ
☑︎坐剤よりも経口薬の方が効果が早い
☑︎坐剤よりも経口薬の方が最高血中濃度が高い
☑︎経口薬より坐剤の方が効果が長持ち(半減期が長い)
☑︎経口薬より坐剤の方がバイオアベイラビリティは高い(AUCが高い)
☑︎カロナールの経口薬はどれもジェネリック※原末を除く
☑︎カロナールの坐剤はどれも先発品
☑︎坐剤の先発品は3種類ある(カロナール,アンヒバ,アルピニー)
☑︎経口薬は、甘いもの、炭水化物などと一緒に服用すると効き目が遅いかもしれない
こんな感じになりました。
とてもよく見る成分なので
一度まとめると服薬指導で役に立ちそうですよね!
ちょっとした学びをインスタグラムにもまとめています。
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