パップ剤とテープ剤の使い分けまとめ

Noriko
こんにちは。
薬剤師Norikoです。今回は患者さんによく聞かれる質問「パップとテープってどっちがいいの?」について、わかりやすくまとめてみたいと思います
この記事は、新人薬剤師さん、登録販売者さんに向けて
また薬局でどんな湿布を買えばいいのかわからないという一般の方に向けての記事になります。
参考になれば幸いです。
まず、患者さんの多くは
貼り薬=湿布という方が多いですよね。

パップもテープも違いはよくわからないけど
「白くて分厚いの」と言ったり、
「薄くて茶色いの」と言ったりもしますよね。

というわけで、患者さんは呼び方なんて気にしていないと思いますが、
それぞれの特徴についてまとめてみたいと思います。



パップ剤とテープ剤どっちがいいの?

パップ剤とはなんぞや?

パップの定義 日本薬学会薬学用語解説から引用

薬物をグリセリン、水などの液状物質とともに高分子で成型した外用剤。湿布に用いる。メントールやカンフルなど局所刺激作用を持つ精油成分を含み、水の冷却効果を期待する冷感タイプは、急性炎症期の疾患に広く使用される。一方トウガラシエキス、ノニル酸ワニリルアミドなどを含有する製剤は、皮膚の温感点を刺激することから、温感タイプと呼ばれ、慢性疾患あるいは腫脹緩解後の炎症性疾患に用いられる。

 

Noriko
というわけですが、
まあ、患者さんに説明するときは「白くて厚めの湿布」と言うとわかりやすいかなと思います

テープ剤とはなんぞや

布やプラスチックフィルムに有効成分と基剤の混合物を薄く延ばし、皮膚表面の患部または皮膚を通して局所患部へ有効成分を到達させる、皮膚に粘着させて用いる製剤。絆創膏やステロイドのテープ剤、関節痛に用いる非ステロイド系抗炎症薬の製剤などがある。
Noriko
テープ剤はいわゆる湿布の一種と思われていますが、
ご存知の通り痛みや炎症を抑えるだけではなくて
様々な効能を持つテープ剤がありますね。プラスターと呼ばれることもあります。

 

では、どのように使い分けたらいいのでしょうか?
大まかにまとめるとこんな感じになります。

 

ではその理由について1つ1つ解説していきます。

よく曲げ伸ばしをする関節

パップ剤よりもテープ剤のほうが伸縮性もよく、

剥がれにくいという性質があります。

特に関節ではピタッとくっつくテープ剤の方が長時間効果を発揮できますね

かぶれやすい部分・皮膚が弱い人

テープ剤は剥がれにくい分

肌への負担がパップより多いと言われています。

パップ剤は水分を多く含むため保湿効果もあり、

剥がす時もテープより刺激が少ないので

肌が柔らかい場所やかぶれやすい方はパップがおすすめです。

 

急な炎症、腫れがある

急な炎症や、腫れがある場合は患部が熱を持っていることがあります。

パップ剤は水分を含むため気化熱で若干ですが冷却効果があります。

貼る時にひやっとしますよね。

ということは冬はつらいかも?

 (ちなみに温感タイプは唐辛子成分のため、パップでも肌が弱い方にはお勧めできません)



腰や背中などの広い部分

腰や背中などは範囲が広いので、

出来るだけ肌に優しいものが適していると言われています。

また、テープ剤よりも貼り直しの失敗が少ないと言われています。

腰や背中は貼りにくいですもんね。

 

外から見えやすい部分

一般的にパップ剤は白。

テープ剤は肌色(茶色)が主流となっています。

そのためテープ剤の方が目立ちにくいことが多いため外から見える部分はテープ剤の方が好まれることがあります。

このように、見え方による選び方もありますね

※モーラスは光線過敏症に注意なので外からよく見える場所は注意ですね

 

使用回数で選ぶ

同じ製剤の場合でも、

パップ剤とテープ剤で用法が異なる場合があります。

その場合、忙しい方は貼り替えの少ない方を選ぶこともありますね。

モーラスがいい例になりますね

☑︎パップ:1日2回
(※XRは1日1回)

☑︎テープ:1日1回

 

Noriko
「剥がれにくい=かぶれやすい」
というのが一番気にかけるところかなと思います。
あとは患者さんの好みで決まることもありますよね。

冷感と温感の使い分けは?

パップとテープの違いではないですが、

これもよく聞かれるので補足したいと思います。

単純にまとめると

急性症状➡︎冷感タイプ

慢性症状➡︎温感タイプ

と言われています。
つまり急性の場合は炎症があり熱を持つことも多く
その場合は冷やした方がいいため冷感タイプが良いとされています。
特にパップ剤は先ほどもあったように、気化熱による冷却効果も期待できますね。(とは言えこの冷却効果はそれほど強くはないので実際に温度を下げる効果はあまりないとされています。)
この時に温感タイプを使うと、炎症を刺激してしまうこともあるとされています。
逆に慢性の場合は、温めると楽になることが多く、
お風呂に入ると痛みが和らぐ腰痛などはこのタイプになります。
ただ、温感タイプの温める成分というのは基本的にトウガラシから抽出された成分のため、肌への刺激となることがあります。
そのため、急性慢性にかかわらず、肌が弱い方は温感タイプはお勧めできません。
また剥がした直後のお風呂などに入ると刺激で痛みを感じることもあるため、
入浴の1時間前には剥がし、入浴後30分位してから貼付し直すのが良いとされています
また、温感といっても、実際に温度が上がるというわけではありません
温感点を刺激して、暖かく感じるというものになります。
それでも、同時に末梢血管を拡張するので、血流を改善し、それにより局所的に温度が上がることもあるそうです。
Noriko
というわけで、
よく聞かれるパップとテープ剤の使い分けついでに冷感と温感の使い分けについて
まとめてみました。参考になれば幸いです

薬剤師又は登録販売者として、
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