アフターピル最新情報を薬剤師が解説

Noriko

こんにちは。薬剤師のNorikoです。
今回は前回の低用量ピルに引き続き以前フォロワーさんからいただいた質問
『アフターピル』についてまとめてみました。

なかなか聞きづらいと思うのでよかったらご覧ください。

 

 



今回の投稿の目的

デリケートな話であるため、なかなか人には聞きづらい
どこで相談したら良いのかわからない

事前に知っていたら防げたのに・・・
そんな方もいるかと思うので、多くの方に知って欲しくてまとめてみました

 

アフターピルとは?

 

アフターピルとは
避妊に失敗した際に、意図しない妊娠を避けるために服用する薬

 

偏見を持たないで!女性の権利です!

現在予想外の妊娠で子供を授かった場合
それが児童虐待につながったりしていることが問題になっています。
また、母親のみが取り残され、母親が自分の夢を諦めたり、
特に女性の人生に大きく影響してしまうことが多い問題です。
「無責任な行動でそうなってしまったなら仕方ない」と思う方も多いかと思いますが、アフターピルを検討する方が必ずしも皆さんがそうというわけではないですし、
知らないというだけで選択肢を奪われ不幸な人が増えていくのは悲しいなと感じます。悲しい現実を防げるのであれば、躊躇うことなく防げばいいと思うのです。

 

人工中絶とは全く違います

「アフターピルを使うと、本来生まれてくるはずだった子供がかわいそう」

と思われる方がいるようですが、
いわゆる、人工中絶とは全く違います。

アフターピルが有効な場合は
そもそも、まだ妊娠が成立していません。

 

あるデータでは
「人工的に流産を起こさせるもの」と思われている方が17%以上もいるとのことですが、流産を起こさせるものではありません。

人工中絶は、すでに妊娠が成立し、
お腹の中で命が育っている状態で、母体の健康など様々な理由から妊娠を継続できない、やむを得ない色々な事情により出産を選択できない場合に行われます。

人工中絶の場合母体への負担が大きいのと同時に

何より精神的な負担がとても大きいと思います。

また、金銭的な負担など、とにかく母親への負担が大きいのです。

 

Noriko
もし妊娠できない状態がわかっているのであれば
ぜひ正しい避妊法と、万が一のためにアフターピルの知識を持っておくのはとても重要じゃないかと思います。

 

低用量ピルとの違い

低用用ピルについては前回記事にしました→こちら

前回お伝えした通り
低用量ピルは避妊効果もさることながら、様々な目的で使用されていますが

低用量ピルは計画的に避妊するために継続して服用するものであるのに対し
アフターピルは予期せぬ妊娠を防ぐために緊急的に服用するものであり
前もって準備できるものではありません。

アフターピルは「最後の避妊手段」としても知られています。

また、低用量ピルは毎日服用することが重要ですが、
アフターピルは1回1錠のみの服用です。

 

日本で使われているアフターピル

現在日本で承認されているアフターピルは

レボノルゲストレルという成分で、

商品名としては『ノルレボ錠』と、
その後発品である『レボノルゲストレル錠』があり、
これらが日本において緊急避妊薬の第一選択薬として認められています

また未承認ですが、

ウリプリスタール酢酸エステルを有効成分とした『エラ』というお薬があります。
こちらは海外では一般的に使われているお薬ですが
日本では現在(2021/10)まだ承認されていません。

ではこれらの薬の有効性について見てみましょう。

 

アフターピルの有効性

日本で承認されているレボノルゲストレルの有効性

⚫︎24時間以内の服用:95%

⚫︎48時間以内の服用:85%

⚫︎72時間以内の服用:58%

 

このように、基本的に72時間(3日以内)に服用することが薦められています。
ただ、この時間を超えたら有効性がゼロになるというわけではなく
効果がさらに落ちるため別の方法を考えるべきとされています。

 

また、
日本ではまだ承認されていないウリプリスタール酢酸エステルの有効性ですが

レボノルゲストレルが72時間であるのに対し、
こちらは120時間まで有効性が高いというデータがあります。

ただ、日本では承認されていないため
扱っているクリニックは限られています。

オンライン受診が可能なクリニックは取り扱っているところが多いようです。

 

アフターピルのQ&A

 

医師による診察が必要ですか?
必要です。
ただ、直接受診しなくてもオンライン受診で処方してもらうことも可能です。
医療機関によってその対応が異なるので確認が必要です。また直接受診するのとオンラインとではそれぞれメリットとデメリットがあるため
時間も限られることからメリットの多い方法を選択されるといいかなと思います。

オンライン受診について

 

保険は適応されますか?
保険は適応されません。
自由診療になるため費用もクリニックや薬局により様々です。

 

服用するときは食後のほうがいいですか?
食事に関係なく、とにかく速やかに服用することが大切です。

 

併用に注意の必要がある薬はありますか?
併用に注意が必要な薬は少ないですが、
一部の抗けいれん薬やセイヨウオトギリソウなどアフターピルの効果を減弱させてしまう薬があります。気になる方は受診時にご相談ください。

 

もし服用後に妊娠が判明したとき赤ちゃんに影響はありますか?
アフターピル服用による胎児への影響はないとされています

 

アフターピルを服用後の性交で妊娠することはありますか?
あります
予防効果があるわけではないので、前もって服用しても妊娠する可能性はあります

 

直接受診とオンライン受診のメリットデメリット

直接受診することのメリット

直接医師と話をすることで安心感がある
その場で薬を処方してもらうことができる

直接受診することのデメリット

医療機関がいつも受診できるわけではないので
開院している時間まで待つ必要がある
周りの人目が気になる
プライベートをあまり知られたくない場合
遠くの医療機関を探すことになってしまうことがある
院外処方の場合、薬局にも行く必要があり二度手間になる

オンライン受診のメリット

24時間対応しているところがある
自宅にいながら受診できる
人目を気にすることがないのでプライベートを保てる

オンライン受診のデメリット

郵送の場合届くまでに時間がかかる
配達物を家族に見られて困ることがある
(多くの場合中身は分からないようになっていますが、勝手に開けられてしまうような場合は困りますね)

 

低用量ピルに関しての記事はこちら
低用量ピルはもっと気軽であったほうがいい

 

 

※しっかり認められた医療機関で処方してほしい
教育を受けた薬剤師から話を聞きたい

そんな方は厚生労働省が医療機関と薬局のリストを発表しています。
お近くの医療機関、薬局を検索してみてください

→対面診療が可能な産婦人科医療機関

→オンライン診療に係る緊急避妊薬の調剤が対応可能な薬剤師及び薬局の一覧

 

Noriko
一般的な調剤薬局だとプライベートの確保が難しく
そんなところで説明されたくない!
と思われる方も多いと思います。ただ、対応した薬局や薬剤師は研修を受けており
その辺りの配慮などはできるようになっています。とはいえ、いろいろ聞かれたり、説明されるのは嫌だなと思われる方も多いと思うので、私も薬剤師ではあるけれど、
やっぱりオンラインで完結する方が患者さんの負担は少ないんじゃないかなと思います。

 

オンライン受診について

その他の緊急避妊法

Yuzpe(ヤッペ)法

1970年代に発表され、緊急避妊薬として日本で最も一般的に行われてきた方法で
72時間以内にいわゆる中用量ピルを服用する方法です。

ただ、レボノルゲストレルを主成分としたアフターピルと比較した場合、
副作用の発現率が高い上に、妊娠阻止率も劣るということで、
現在は、何らかの理由がありレボノルゲストレルを使用できない場合の選択肢になると言われています。

 

 

I U D

こちらは子宮内避妊システムと言われて
子宮内に通称リングと呼ばれる器具を装着し、妊娠を防ぐものになりますが、

やはり器具を入れっぱなしにしておくということで抵抗のある方が多いようです。

ただ、メリットもあります

⚫︎毎日薬を飲み続ける必要がない
⚫︎飲み忘れによる避妊効果低下の心配がない
⚫︎ピルが服用できない方でも使用できることが多い
⚫︎5年間入れたままで有効性が維持できる

 

現在日本でよく使用されるものには2種類あります

銅付加子宮内避妊具(Cu-IUD)

こちらは基本的に性交後120時間以内に装着します。
(一般的に前もって避妊効果を期待する場合は生理開始後7日以内に装着します)
性交後120時間を超えていても、排卵日から5日以内であれば銅付加子宮内避妊具の挿入は検討でき、精子に対して銅イオンが直接作用し、運動能力を減少させ受精を阻害するとされています。

装着後すぐに避妊効果が現れ5年間そのままで効果が続きます。
ただ、定期的に検診を受けることが必要です。

 

子宮内黄体ホルモン放出システム(IUS):ミレーナ

 

こちらは黄体ホルモンが放出される設計で
子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため、内膜は薄い状態となり、妊娠の成立(受精卵の着床)を妨げたり、子宮の入り口の粘液を変化させて精子が腟の中から子宮内に侵入するのを防いだりすることで避妊効果を発揮するとされ
銅付加子宮内避妊具と遜色がないほどの妊娠阻止率があると言われています。

 

また、こちらは治療に使われることもあり
その場合は保険が適応される医薬品です。

子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため、内膜は薄い状態となり、
月経量を減少させるとともに月経痛を軽くするため
過多月経+月経困難症の治療薬として保険が適応されます。

 

Noriko
妊娠を希望しない方で
生理が辛いという方は、一度婦人科で相談してみるといいですね。
保険で治療が可能ですし、
飲み薬ではない治療法もあるということを知っているだけでも
受診して救われる女性が増えるのではないかと思います。

子宮内避妊具のQ&A

 

子宮内避妊具を取り出した後、妊娠は可能?
器具を取り出した後は
装着前と同じ状態に戻るため、妊娠に影響を与えることはないとされれています

 

器具の装着や取り出しを自分ですることは可能?
受診し、医師に装着、取り出しをしてもらう必要があります。

 

授乳中でも使用できる?
銅付加子宮内避妊具(Cu-IUD)は問題ないと言われていますが、
子宮内黄体ホルモン放出システムはホルモンを放出しているため影響すると言われています。

 

 

オンラインで気軽に受診できるクリニックをいくつか挙げてみます。

オンライン受診ができるクリニック

 

夜中でも時間を気にせず受診したい方

[Pills U]24時間いつでも診察!気軽に利用できるクリニック

こちらは24時間対応可能とのことで
すぐにでも受診したいアフターピルの処方には対応が早いクリニックになります。
もちろん、こちらも低用量ピルに処方もしてくれます。

会員登録も不要なので、気軽に検討したい方に向いていると思います。
支払いは定期便の場合はクレジットカード決済のみ。
単品購入の場合はクレジットカード決済とコンビニ後払いが利用可能です。

 

 

専門外来を多く持つ

[CLINIC FOR]アフターサービスなどが安心なクリニックのオンライン診療

こちらは私が低用量ピルで使用したことがあるクリニックです。
都内に6カ所のクリニックがあり
専門外来もあるため安心して受診できます。

ただ、受付時間に融通がききづらいため、急ぐアフターピルに関してはちょっと時間がかかるかもしれません。

 

 

いくつかクリニックをご紹介しましたが
他にも調べるとたくさんあります。

信頼できそうなクリニックを探して検討してください。
ちなみに、そのときに参考になる資料もあります⬇︎

 

Noriko
※しっかり認められた医療機関で処方してほしい
教育を受けた薬剤師から話を聞きたい
そんな方は厚生労働省が医療機関と薬局のリストを発表しています。
お近くの医療機関、薬局を検索してみてください

→対面診療が可能な産婦人科医療機関

→オンライン診療に係る緊急避妊薬の調剤が対応可能な薬剤師及び薬局の一覧

 

 

日本でのアフターピルにおける緩和が進まない理由

手軽に購入できることで
無防備な性交が増え、感染症の蔓延につながったり
関連した犯罪が増えるのではないかという懸念。

医師の指導が入らないことで不適切な使用をされる恐れがあるのではないかという懸念。

などがありますが、一方で

制度が緩和されないことで女性からのアクセスのハードルを上げ
防げるはずだった望まない妊娠を防ぐことができなくなるため
もっとアクセスしやすい体制が必要という意見もあります。

海外ではもっと気軽に手に入るアフターピルですが、
低用量ピル同様、まだまだ日本は後進国ですね。

もっとアクセスしやすい薬になるのはいいことだと思いますが、
その一方で、適切に使用できる体制、教育も必要なのでまだまだ普及には時間がかかりそうです。

 

Noriko
というわけで、
なかなか聞きづらい内容だと思いますが、医療従事者はしっかりと理解しておいたほうがいいと思うし、
一般の方にも偏見を持たずに正しい知識を持って
必要なときにはいつでもアクセスできる状況になることを願っています。

 

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低用量ピルに関しての記事はこちら
低用量ピルはもっと気軽であったほうがいい

 

参考:産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020
低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン
バイエルミレーナを装着される皆様へ
バイエルノバT 380使用者向け資材
厚生労働省緊急避妊に係る取組について他