寒くなってきて、そろそろ乾燥の季節ですね。
乾燥対策として近年人気なのがヘパリン類似物質ですが
種類がたくさんあって違いがわからない!
というわけで、市販で買えるヘパリン類似物質製品を
まとめてみようと思います!
まずは、成分のヘパリン類似物質について学びましょう!
ヘパリン類似物質とは?
「保湿」「血行促進」「抗炎症」の3つの作用があり、子どもからお年寄りまで、全身に使用できるため、医療の現場でもとてもよく使われる成分です。
ビーソフテンという名前でご存知の方も多いかもしれませんね。
「ヒルドイド」はいわゆる先発品で
ジェネリックになるとヘパリン類似物質+剤形「メーカー名」のようになります。
というわけで医療用を代表してヒルドイドについて見てみましょう。
『尿素』が主流だったのですが、尿素は保湿効果は期待できますが、
刺激が強いことから、万人には使いづらいものでした。そんな中、ヘパリン類似物質の製品が増え、
肌の弱い敏感肌の方にも使いやすいということで注目されています。
医療用のヒルドイドの特徴
医療用のヒルドイド(ヘパリン類似物質)の効能はこちら
- 血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期) ※ゲル剤のみ若干異なります
何だか難しい病名が並んでいますが、
簡単にどのように効果が出るのかを表すと主にこの2点になります。
✔︎血行を促進し、血行障害に基づく痛みや腫れを軽くする。
医療用には現在剤形が5つありますが
濃度はどれも0.3%になります。
それぞれの特徴を簡単に
ヒルドイドソフト軟膏
軟膏とあるように、油性製剤になりますが、使い心地はクリームです。
一般的な軟膏は透明でベタベタしたイメージがあるかと思いますが、そこまでベタつき感はありません。
シリーズの中では一番皮膚を保護する性質に優れているため特に冬場の乾燥肌には強い味方です。
ヒルドイドクリーム
こちらはソフト軟膏に比べてももっと滑らかで伸びの良いクリームです。
さらっとした使い心地なので1年通して使いやすいと言われています。
ただ、酷い乾燥肌などに対しては保護効果がイマイチな場合があります。
ヒルドイドゲル
ゲルは清涼感と伸びの良さに優れる剤形ということで開発されました。
というわけで、夏場の使用には使いやすいかもしれませんが、冬場はちょっと使いづらかったり物足りないかもしれません。
ヒルドイドローション
こちらはローションというより乳液という感じですね。
よくジェネリックとも比較されますが、ジェネリックがまさしくローションのような透明感があるのが多いのに対し、ヒルドイドは白い乳液状態です。
広範囲に使用するときに使いやすいタイプになります。
ヒルドイドフォーム
これは名前の通り、泡状になって出てきます。
ハンドソープなども液と泡がありますが、あんな感じですね。
ローションでは垂れてしまいがちな場所にもフォームだとたれる心配がなく
伸びも良いのでこちらも広範囲や、塗りにくい場所に使いやすいタイプになります。
剤形の違いは
ヘパリン類似物質以外でも
色々な薬についても同様のことが言えるので
選ぶときの参考になさってください
では市販で売られている商品を見てみましょう
市販されているヘパリン類似物質
まず、市販で売られている商品は
『医薬品』と『医薬部外品』とでだいぶ内容が異なります。
まず、医薬品として売られている商品は
ヘパリン類似物質の含有量が医療用のヒルドイドと同じ(0.3%)ものがほとんどです。
ただ、ヒルドイドの有効成分はヘパリン類似物質だけであるのに対し、
市販の医薬品はヘパリン類似物質以外にも効果を期待して
様々な成分が配合されているものもあります。
一方、医薬部外品は
ヘパリン類似物質の含有量はヒルドイドと同じものはありません。
と言いますか、含有量の記載の義務がないため
一体どれくらいの量が入っているのかわかりません。
そのため商品によって配合量はまちまちであるため
「ヘパリン類似物質」と書かれていてもほんの少ししか入っていない可能性もあります。
また、薬用と書かれているのは医薬品と同じ
と思われている方がいますが、
『薬用』は医薬品ではなく『医薬部外品』になります
これらは化粧品とも扱いが若干異なります。
『医薬品』と『医薬部外品』(薬用)どちらがいい?
それはズバリ目的によって異なると思います!
もちろん、今回の場合は予防効果もありますが、
(例えば基礎化粧品として使用したいなど)
この場合は、『医薬品』より『医薬部外品』の方が合っている方が多いです。
というのも、医薬部外品の中では美容を意識した商品がとても多く、
化粧品に含まれる美容成分などを配合した商品や、
化粧下地としてもべとつかない工夫がある商品など
『医薬品』ではあまりみられない特徴を持つ商品がたくさんあるからです。
というわけで、
後半でご紹介する商品を参考に
自分にあったヘパリン類似物質を選んでみてください。
ヒルドイドと同じ濃度の市販薬『医薬品』
まずは
市販の医薬品でヒルドイドと同じヘパリン類似物質0.3%の商品についてです。
市販でヘパリン類似物質0.3%配合のものは
次のような効能効果を持っています。
- 手指の荒れ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮ふ、しもやけ(ただれを除く)、きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)、打身・ねんざ後のはれ・筋肉痛・関節痛。
一般的には保湿目的に使われることが多いかと思いますが、
実は色々な効能を持つことがわかります。
では、まずはどれもヘパリン類似物質:0.3%のもので
他に配合成分がない単剤のものを取り上げてみます。
(添加物はヒルドイドとは異なるため、全く同じというわけではありません)
変動しますので参考までにどうぞ
HPクリーム(60g) ¥1664
濃度は医療用と同じ0.3%です。
ローションはアルコール無配合のクリアタイプ。
広範囲に使いたいときや
逆さにしても使えるので背中などの塗りにくいところにスプレーできるので重宝しますね。
市販の医薬品でスプレータイプは他にないのではないでしょうか?
医薬部外品では濃度が下がるため医薬品のスプレーは貴重ですね。
ヒルドイドのローションというよりは後発品でよく見るスプレータイプに似ている感じになります。
昔からザーネシリーズは人気があるので定番の一つになりそうです。
クリームの中でもより保湿性の高い方になります。
中のチューブにもドラえもんのイラストが描かれているため
お子さんと一緒に使うのに楽しく使えそうですね。
箱書きにステロイドフリーと書かれていますが、
他もステロイドが配合されたものはないので同じです。
保湿効果は高いといえます。
医療用のヒルドイドローションに近い使い心地ですね。
先ほども書いたように、普通の特徴です。
アマゾン限定ブランドとのことで
お値段がお得なシリーズですね。
特にこだわりがないなく、お値段で選ぶならこちらがお得ですね。
⬆︎メンソレータムアレピット (15g) ¥1320
ワセリンベースの高密着型
顔の使用や、子供の使用に着目した
アルコールフリー、ノンメントール
ポイント使いに使いたい医薬品ですね。
以上の主成分は全てヘパリン類似物質0.3%のみで
他に有効成分の配合はないので、大きな違いはありません。
お手頃なものをたっぷり使いたいという方にはお値段で。
外で手軽に使いたい方には小さなチューブ
全身にささっと塗りたいならローション系
特にスプレーは手の届きにくい場所にも使いやすいのでおすすめです。
では次にヘパリン類似物質+αの配合薬について見てみましょう。
ヘパリン類似物質+αの『医薬品』
+αとして配合されている成分は
・血行促進
・保湿成分
・かゆみ止め
・抗炎症剤
などの目的の配合成分が多いです。
そのため、自分が何で困っているかによって選ぶといいんじゃないかなと思います。
ただ、敏感肌の人は成分が多ければ多いほど肌に合わないということもあるので
できるだけシンプルな内容を選んだほうがいいかもしれません。
⬆︎イハダドライキュア乳液(50g) ¥886
こちらは資生堂が作っている乳液タイプで、配合された有効成分も種類が多めです。
・へパリン類似物質:0.3%
・ジフェンヒドラミン:かゆみ抑制
・アラントイン:組織修復
・トコフェロール酢酸エステル:血行促進
素肌と同じ弱酸性の乳液タイプ
乾燥から来るかゆみが出やすい方にオススメです。
⬆︎さいきaローション(100g) ¥2111
・へパリン類似物質:0.3%
・グリチルリチン酸二カリウム:抗炎症作用
・アラントイン:皮ふ組織の修復作用
こちらは弱酸性&パラベンフリー&アルコールフリーということで
添加物が肌に合わない方や、アルコールに弱い方にも使いやすいタイプになります。
とろみローションということで塗り広げやすいローションタイプですね。
⬆︎フェルゼアプレミアムHPクリーム(30g) ¥1248
ヘパリン類似物質・・・0.3%
アラントイン:皮ふ組織の修復作用
トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE):血行促進
こちらもアルコールフリーということで
敏感肌の方にも使いやすそうです。
また、油性クリームのため保護作用も期待でき、
血行を改善する成分が配合されています。
⬆︎フェルゼアプレミアムHPバーム(10g) ¥1078
・ヘパリン類似物質:0.3%
・トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE):血行促進
高密着ワセリン基剤とのことで
より保湿効果は高いクリームです。
全体に塗るよりも、特に乾燥が気になるところにポイント使いするのが良さそうですね。
昔から尿素配合の保湿系医薬品として有名ですが、
上記のものは尿素を配合していません。尿素は保湿成分としては優れていますが、
肌に刺激が強いため、敏感肌の方にはあまり向きません。
敏感肌の方は尿素の配合されていないタイプがおすすめです。
⬆︎ヘパソフト(85g) ¥1656
・ヘパリン類似物質:0.3%
・パンテノール:肌の修復を助ける
・ジフェンヒドラミン:痒み抑制
・クロタミトン:痒み抑制
こちらは痒み止めが2種類配合されており痒み止めを強化したタイプになります。
乾燥肌から痒みにつながることが多いので
乾燥とともに、痒みにも悩まされる方にはおすすめです。
ただ特に痒みはないようでしたら、シンプルな処方で問題ないと思います。
ヘパリン類似物質配合番外編
こちらは全く目的が異なるように見えるかもしれませんが、
主成分はヒルドイドと同じヘパリン類似物質0.3%になります。
ヘパリン類似物質の血行促進効果により傷痕を少しでも目立たなくするというお薬です。
傷痕を目立たなくする効果が期待できるということですね。
⬆︎アトキュア(20g) ¥1317
ヘパリン類似物質以外にもビタミンA油が配合されていますが、これは
新陳代謝を促進し肌の生まれ変わりを高めるという働きを持っています。
・グリチルリチン酸ジカリウム:肌の炎症を静める
実は、以前は市販薬でヘパリン類似物質というとこの効能が一般的でした。
保湿効果を期待した商品が出たのは最近です。
同じような成分ですが、若干お値段がお高めに感じますね・・・
箱を見て選ぶのもいいですが、
お店で実際に薬剤師や登録販売者に違いを聞いて購入したほうが
ちゃんと自分にあったお薬を購入することができると思います。
『医薬部外品』のヘパリン類似物質配合製品
医薬部外品には配合量の記載の必要がなく
医薬品より配合量は少ないことが多いです。
使用目的が美容も含まれる場合、
『医薬部外品』の方が美容成分の配合が多かったり、
基礎化粧品としてのラインナップが充実しているものもあります。
そのため、治療というよりは毎日の肌のメンテナンスが目的の方は
『医薬部外品』から選んで十分、または『医薬部外品』の方が合っていることがあります。
濃度が高いと刺激となり、ごくまれにかゆみが出たりする方もいるようなので、
意外にも配合量が低いであろう医薬部外品の方が肌に合っているという方もいるので試してみるのもいいですね。
液だれせず、広範囲に塗りやすいので便利です。
お子さんでも自分で塗りやすいですね。
うるおい成分を強化したタイプになります。
アルコールフリー
パラベンフリー
鉱物油無添加
とのことなので、敏感肌の方にも使いやすそうです。
肌荒れやニキビを起こしやすいという方にも使いやすいタイプです。
鉱物油、酸化防止剤不使用とのことで添加物にも敏感な方も使いやすいですね
気になる方はチェックしてください。
(100g) ¥1064
ワセリンベースなのでより皮膚保護作用が期待できます。
ローションタイプの中では乾燥に強いため
全身に使いたいけれどしっかり保湿したいという方に向いていると思います。
(ただ、夏場はベタつきが気になるかもしれません。)
グリチルリチン酸ジカリウム,アラントイン配合です。
抗炎症作用を持つグリチルリチン酸ジカリウム配合
お家で使うにはチューブより使いやすそうです。
そのため酷いあかぎれができてしまうような方は医薬品の方が合っていますが、
毎日惜しみなく使いたい方にはお得ですね。
こちらもグリチルリチン酸ジカリウム配合で抗炎症効果も期待できます。
毎回最大15%になるため
気に入ったなら必要な時期だけ定期購入するとお得になるので助かりますね。
⬆︎
こちらは医療用のヒルドイドを作っている『マルホ』と
化粧品会社の『コーセー』がタッグを組んで作った医薬部外品になります。
カルテHDのHDは『ヒルドイド』のことです。
ヘパリン類似物質の濃度の記載はないためヒルドイドと同じ効果は期待できませんが
他に配合された有効成分でプラスアルファの効果が期待できます。
また大手化粧品会社の技術も使われているため
その辺りが期待できるシリーズとも言えますね。
その他の有効成分はこちらです。
・グリチルリチン酸ジカリウム:肌あれ防止有効成分
・うるおいバリアCPX(グリセリルグルコシド・スクワラン・セラミド類似ポリマー・アミノ酸・濃グリセリン)
薬というよりは基礎化粧の目的として使われている方が多いようです。
この辺りは化粧品会社コーセーの技術が期待できそうですね
こちらはネット上だと定価より高いこともあるようなので
価格を確認した方が良さそうですね💦
選ぶときのポイント
使い心地や、美容成分を意識して『医薬部外品』
またクリームは油性クリームなのか?
ローションは乳液タイプなのかクリアタイプなのか?
⇨クリアタイプの方が保湿効果は劣るがベタつかず広範囲に使用しやすい。
痒み止め、抗炎症成分が入っているものを選ぶ。
ただ、かきむしってしまって肌の状態が悪い時には皮膚科を受診しましょう。
敏感肌向けの製品もあるので参考に。
(とは言え、記載のない添加物もあるため必ずしも敏感肌用が肌に優しいとは限りません。)
⇨スプレー、泡、持ち運びに便利なチューブ
家で使いやすいツボ入り、惜しみなく使える大容量などなど
毎日使うものなので、使いやすさとお値段で選ぶのも重要ですね!
今話題のヘパリン類似物質が配合されている
『医薬品』『医薬部外品』(薬用)
の商品についてまとめてみました。この他にもたくさん出ているので、
配合成分などを参考にしていただければと思います。次は、ヘパリン類似物質以外の保湿効果の高い商品をまとめもあります
全身の乾燥肌にヘパリン類似物質以外の保湿剤のまとめです⬇︎⬇︎⬇︎
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