
こんにちは。
薬剤師のNorikoです。
今日は低血糖時の糖分補給についてまとめてみました。
後半のラムネに関しては
知らない方が多いので参考にしてみてくださいね!
糖尿病治療中の低血糖はとっても危険!
まず、糖尿病の方が一番注意しなければいけない薬の副作用が低血糖と言われています。
特にSU剤服用時は低血糖になるリスクが高く特に注意が必要と言われています。
ここで、低血糖を起こすとそもそもどんな症状が出るのでしょう?
まずここを押さえておかないといけないですね。
危険度の目安です。
下に行くほど危険な状態になります。
出来るだけ早い段階で気づいて対応することが重要ですね。
低血糖時になったらどうすればいい?
これはもちろん糖分を取ることになるのですが、
まず、必ず確認しなければいけないこと
があります。
それは
現在日本では3つの成分が処方されています。
α-グルコシダーゼ阻害薬
◉アカルボース(先発名:グルコバイ)
◉ボグリボース(先発名:ベイスン/グルベス配合錠)
◉ミグリトール(先発名:セイブル)
ボグリボースとミチグリニドの合剤になります。
こちらはα-グルコシダーゼ阻害薬の配合薬だということを忘れられがちなので
注意したいところですね。
低血糖時の糖分補給はブドウ糖しか効果がないから」です。
ブドウ糖でなくても、いわゆる普通の砂糖でも血糖値を上げることができますが、
α-グルコシダーゼ阻害薬を服用していると
ブドウ糖の分解を抑制してしまうため、すぐに血糖値を上げることができません。
そのためこれらのお薬を飲んでいる時の低血糖にはブドウ糖しか効果を発揮しません。
もし、初めの投薬で言いそびれてしまったり、
な〜んだ、わざわざブドウ糖を用意しなくてもいいのか。
なんて誤解されてしまうことがあるかもしれません。
たまにその確認をするのも重要じゃないかなと思います。
具体的にどれくらいの糖分を摂ればいいの?
患者さんに確認すると
具体的な量についてはあまり把握していない方が多いです。
「飴持ち歩いてるから、1個舐めればいいでしょ?」
「ジュース一本飲めばいいと聞いたことがある。」
✔︎飴ってどんな飴?
✔︎ジュース1本てどれくらい?
低血糖にはなったことないから大丈夫!👍」
✔︎ブドウ糖の場合
ブドウ糖の場合、
必要な目安は10gです。
✔︎ブドウ糖以外の砂糖類の場合
砂糖、グラニュー糖、黒糖などなど
いわゆる一般的な砂糖の場合、
必要な目安は20gです。
あれ?同じじゃないんだ!
と思われるかもしれませんが、
一般的なお砂糖は、ブドウ糖と果糖
の組み合わせなので、ブドウ糖単体でできた糖類よりも
倍の量が必要になります。
✔︎ダイエット甘味料は?
こちらも注意が必要ですが、
いわゆるダイエット甘味料はご想像通り効果がありません。
特にジュースなどに多いですね。
“ゼロカロリー”だけではなく
“カロリーオフ!”
“ノンカロリー!”と記載があるものも
ダイエット甘味料を使っていることが多いので
それらは避けなければいけませんね。
○gと言われて、実際どれくらいか想像できますか?
ところで、10g、20gと言っても
普段から量りをよく使う薬剤師や、
お菓子作りが好きな方ならイメージがつくかもしれませんが、
そうではない場合、なかなかイメージするのは難しいのではないでしょうか?
では、色々な物を使ってイメージしてみましょう。
✔︎計量スプーンを使ってイメージする
キッチンにおそらくあるであろう、計量スプーンで考えてみましょう。
計量スプーン
◉小さじ:5ml
◉大さじ:15ml
ですが、これを砂糖のgで考えると何gくらいになるでしょうか?
(砂糖の種類によって若干異なりますが目安として考えます)
計量スプーンで大体の砂糖の重さをはかる
◉小さじ:3g前後
◉大さじ:10g前後
というわけで、
✔︎普通のお砂糖(上白糖)なら、計量スプーンの大さじ2杯くらい
の摂取が目安になるとわかります。
いわゆる砂糖(上白糖)は1杯で9gくらい
グラニュー糖に至っては12gくらいと言われています。ただ、今回は目安ということでここは大体で問題ないかと思います。
え?計量スプーンなんて使ったことないから
やっぱりわからない?
ティースプーンとカレーのスプーンの違いじゃないの?
そんな方は
違うものでイメージしてみましょう。
✔︎マクドナルドのスティックシュガーでイメージする
マクドナルドでコーヒーを頼むことはありますか?
他のカフェなどでもいいかと思いますが、
最近のスティックシュガーはほとんどのものが3gです。
というわけで、
一般的なスティックシュガー(3g)なら
グラニュー糖だと思いますが、それを20gで計算すると
スティックシュガー6〜7本
が目安ということになります。
✔︎角砂糖でイメージする
角砂糖はあまりご家庭では見ないかもしれませんが、
これまたカフェなどで見かけますね。
一般的な角砂糖は1個あたり3〜4g
というわけで、20gの砂糖は
角砂糖5〜6個分が目安
になります。
これもなかなかの量ですね。
✔︎ペットボトルの蓋でイメージする
次にペットボトルの蓋でイメージしてみましょう。
ペットボトルの蓋はイメージできますよね?
あの蓋が大体7mlと言われています。
(※全ての蓋ではありませんが、日本で発売されているほとんどが大体これくらいと言われています。)
ということはペットボトルの蓋2杯強が大体大さじ1杯くらいと言えますね。
それを踏まえて考えると
✔︎普通のお砂糖なら、ペットボトルの蓋4杯強くらい
というわけで、どれも結構な量だと思いませんか?
そんなに砂糖を一気に口に入れたら飲み込むのは厳しいですよね
この場合は、砂糖を飲むというより、
水に砂糖を溶かして、砂糖水をさっと飲む方が現実的かと思います。
また、携帯している飴で対応するときは
ゆっくり舐めるのではなく
ガリガリできるだけ小さくなるまで噛んで飲み込むのがいいですね。
砂糖として摂るときに必要な量の目安まとめ
日常生活で手に入りやすい砂糖なら
実際低血糖になったときにどれくらいを目安にとったらいいのか
をまとめてみようと思います。
ジュースなどの甘い飲み物についても参考に入れております。
✔︎計量スプーン:大さじ2杯
✔︎一般的なスティックシュガー(3g):6〜7本
✔︎一般的な角砂糖(1個3~4g):5〜6個
✔︎ペットボトルのキャップ(7ml):4杯強
✔︎甘いペットボトルの飲み物(500ml):1/3〜半分
✔︎小さな紙パックの飲み物(200ml):1本
※飲み物に関しては、様々な糖類が使われていることが多く、
必ずしも一般的な砂糖とは限りません。あくまで目安として参考にしてください。
※容積で測っているものは、一般的な“お砂糖(上白糖)”で考えております。
飲み物の場合は、ブドウ糖を多く含むものもあれば
砂糖(ショ糖)が多いもの、
果糖が多いものなど商品によって様々です。
ただ一つ言えるのは、
昔からあるソーダ系の飲み物
例えばコーラやサイダーなどはブドウ糖が多い飲み物として知られています。
つまり、砂糖よりも吸収が早いので血糖値を早く上げることができるということですね。
参考になる文献がありましたのでシェアいたします。
詳しく知りたい方はチェックしてみてください。
というわけで、砂糖で対応するときはブドウ糖の倍必要となるため
なかなかの量になり、飲むのが大変かもしれません。
また、普通の砂糖よりもブドウ糖の方が血糖値を早く上昇させることができます。
それならやっぱりブドウ糖を携帯したいですよね。
ところで、ブドウ糖はどこで手に入れたらいいでしょう?
調剤薬局でもらっているという方もいるでしょうが、
これはサービスのようなものなので、
必ずしもいつももらえるとは限りません。
常に携帯できるように
ご自分で手に入れられる場所を把握しておくのも大事だと思います。
ブドウ糖の購入場所
ブドウ糖100%はドラッグストアーなどでも売っています。
また、今ではオンラインでも気軽に購入できます。
タブレットは噛んで溶かして服用
粉は水に溶かして服用
お水があるなら粉のほうが飲み込みやすく吸収が早そうですね。
いざという時のために
少し余裕を持ってストックしておきたいですね。
飲みやすいゼリータイプもある!
甘い飲み物が飲むのも選択肢ですが、
実は飲み物の場合、先ほどお伝えしたように
製品によって糖分の種類や量も全く異なります。
なかなかブドウ糖としてどれくらい入っているかというのがわかりにくいのですが、
中にはこんなものもあります!
インスタのフォロワーさんに教えてもらいました😆
こちらはお馴染みのウイダーインシリーズですね。
1パックで30gなので大体1/3ほど飲めばいい感じですね。
このゼリーでいいところは、噛み砕かなくていいので
嚥下困難がある方にも飲み込みやすいということと
溶けるのを待つ必要がないので、
吸収が早いのではないかということです。
ゼリーにするために添加されているものの影響もあるかとは思いますが、
少なくとも、飴を舐めたり、チョコレートを食べたりするよりは
だいぶ吸収が早いのではないかなと思います。
ただ、持ち歩くにはちょっと重いのと
砂糖よりも賞味期限が短いこと
あとは、飲みきらないことが多そうだということですね。
お勉強中の糖分補給などには良さそうですね!
ラムネもブドウ糖って本当?
数年前、話題になりましたがご存知でしょうか?
(一部ブドウ糖でないものもあるので注意してください。)
森永の緑色のケースに入ったラムネではないでしょうか?
脳のエネルギー源であるブドウ糖でできている
勉強中のおやつにぴったりだ!
色々なフレーバーなども出てきました。
またAmazonではこんな商品も人気です。
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✔︎とにかく箱が可愛い!
✔︎お得!
✔︎プレゼントにも喜ばれた
なんて声が多いですね。

確かに、受験生への差し入れや
プレゼントとしてもぴったりかもしれません。
話題性もありますね。
低血糖時に実際にどれくらい食べればいいのでしょう?
ラムネを実際に量って計算してみた
お馴染みのラムネはいくつ食べればいい?
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1本当たり29gで41粒だったので
ブドウ糖が90%として計算するとブドウ糖10g摂取するには
ラムネ約16粒となります。
大粒のラムネはいくつ食べればいい?
1袋38gで38粒
1粒1gでわかりやすい!
こちらもブドウ糖が90%とのことなのでブドウ糖10g摂取するには
大粒ラムネ約11粒となります。
色々なフレーバーのラムネもあります
梅味もあります。
1袋50gで58粒
こちらはブドウ糖が91%とのことなので
ブドウ糖10g摂取するには
ラムネ約13粒となります。
きっちり数えなくてもいいかと思います。
摂りすぎるということがなければそれでいいかなと思います。

ついつい食べ過ぎてしまいそうですね。低血糖でもないのにバクバク食べてしまうと大変!
健康体の方でも糖分のとりすぎには注意ですね😅
<番外編>こんなのもブドウ糖入り
実はこれにもブドウ糖が結構入っていました!
大体9粒ほどになりますね。
これを9粒はなかなか厳しいと思います💦

ヨーグルト味がかなり好みなので、乳酸菌の補給目的で定期的に購入しています。
第二の脳なんて言われているので
今後の研究に期待が大きいジャンルですね。

今回は低血糖時の具体的な対応と手に入りやすいブドウ糖のお菓子などを取り上げてみました。
参考になれば幸いです。このように日々気になったことや
疑問に思ったことを学んでインスタにあげています。
⬇︎
薬剤師Noriko
よろしかったら遊びに行ってくださいね!
低血糖時の治療薬として画期的な点鼻薬があります。
気になる方はご覧になってみてください。
点鼻薬で治療できるという画期的な医薬品ということです。
学びの学習、ぼやきはこちら⬇︎