OD錠だけど水で飲んではいけない薬[薬剤師も見落としがちな注意点]

Noriko
OD錠は水無しでも水で服用してもどちらでもいいいですよ〜って説明している薬剤師が多いですが、
全てのOD錠がOKなわけではありません。今回は水で服用してはいけないODについて取り上げます。

 



OD錠ってどんな剤形?

ODとは、“Oral Disintegration”の略ですが

日本語で言うと『口腔内崩壊錠』となります。

つまり、口の中で崩れるお薬ですね。

これは唾液や少量の水分でも十分溶けて服用できるというお薬になります。

 

OD錠のメリットは?

 

Noriko
メリットはなんと言っても嚥下困難の患者さんでも服用できる可能性が高いと言うことですね
☑︎錠剤やカプセルは喉につかえて服用できないお年寄りでも服用しやすい
(これは若い方でも苦手な方は苦手)
☑︎まだ大きな錠剤などが服用できない子供ものみやすい
(子供は甘くてラムネみたいなのでODなら飲んでくれることも)
☑︎水分制限をしている場合、最小限の水分で服用できる
☑︎水が用意できなくてもいつでも服用できる 

 

Noriko
例えば偏頭痛のお薬など発作時に服用する場合は
タイミングを逃さないように、OD錠を携帯しておくと安心ですね。
また、就寝前に忘れがちなお薬も
枕元に置いておけば寝る直前に水無しでも服用ができます。
と言うわけで、

さまざまな背景やシチュエーションでメリットがあります。

OD錠のデメリットは?

嚥下困難などがない場合、

OD錠の味が気になる方や
そのまま飲み込みたくてもOD錠の方が大きい場合もあり
OD錠が苦手という方もいます。

また、吸湿しやすいく、普通錠よりも脆い場合が多く
粉砕、一包化に向いていないこともあります。

 

OD錠は水なしでもありでも効果は変わらない?

基本的には水なしで飲んでも水で飲んでも効果は変わらないと言われています。

 

Noriko
だから、水なしで飲んでもいいし、
他のお薬と一緒に水で飲んでいいですよ〜
と服薬指導している方も多いかと思います。

ただ、若干変わるものもあるようです。

今回はその代表格のお薬について取り上げます。

 

 

ミニリンメルトOD錠

ミニリンメルトOD錠はについて確認したいと思います。

ズバリ、ミニリンメルトは水なしで服用しないといけません!

 

Noriko
ミニリンメルトが水なしで服用しなければいけない理由はいくつかあります。
これは、薬効も関係しているのでぜひおさえておきたいですね。

 

 

用法用量に自信がない薬の場合、
まずは添付文書で確認すると思いますが、
実は用法用量には水なしでや、舌下でといった制限は書かれていません。ただ、用法の注意事項も確認すると記載されています。というわけで、この注意点に気づかない薬剤師も実際にいるので注意が必要ですね。

 

⬇︎こちらはミニリンメルトOD錠の指導箋です。

 

つまり、舌下錠のように服用するように指導していますね。
あれ?別に舌下に入れる必要はないのでは?
と思うかもしれません。
でもなぜあえて、このように指導しているのでしょうか?

 

 

ミニリンメルトが水なしで服用しないといけない理由①

 

「水なしで飲むこと」となっているのはなぜですか?水と一緒に飲んではいけませんか?舌下で服用するのですか?
添付文書「用法・用量に関連する使用上の注意」には水分摂取管理の重要性を考慮して「水なしで飲む」ことを記載しています。合わせて、ミニリンメルトは口腔粘膜からも一部吸収されるため、「水なし」で服用することを推奨しています。水と一緒に服用した場合、口腔粘膜からの吸収が低下する可能性があります。
また、「用法・用量に関連する使用上の注意」に「口の中(舌下)に入れると速やかに溶ける」ことを記載しており、唾液が多く速やかに溶けやすい舌下への投与を推奨しています。
ミニリンメルトQ&Aより https://find.ferring.co.jp/minirinmelt/qa.php

 

 

Noriko
つまり実際、成分の一部が舌下錠のように口腔粘膜から吸収されるためその効果も期待されて舌下を推奨しています。
もし水と一緒に流し込んでしまうと期待した効果が出ないかもしれません。
また、唾液の量も考えて舌下に入れるのがいいようですね

 

 

ミニリンメルトが水なしで服用しないといけない理由②

 

夜尿症治療では「過度の飲水を避け」とありますが、具体的な水分摂取制限の目安はありますか?

 

添付文書「使用上の注意 2.重要な基本的注意[夜尿症](1)」には「過度の飲水を避け」と記載しています。「ミニリンメルト服用2-3時間前(夕食後)から翌朝まで、コップ1杯程度に抑えてください」と服薬指導をお願いします。
過剰に水分を摂取した上でミニリンメルトを投与した場合は、低ナトリウム血症を引き起こし水中毒へ至る可能性があります。夜尿症治療における水分摂取管理の重要性も考慮し、水分摂取制限をはじめとする生活指導が重要です。
ミニリンメルトQ&Aより https://find.ferring.co.jp/minirinmelt/qa.php

 

 

 

Noriko
夜尿症や夜間頻尿の治療の場合、そもそも寝る前に水分をたくさん摂ってしまうと治療に影響してしまうし、
水分を摂った状態でミニリンメルトを服用すると、副作用の問題があるため、
食事の水分についても考慮しないといけないとされています。

 

 

ミニリンメルトその他の注意点

 

☑︎中枢生尿崩症の場合1日1〜3回の服用になるが、
食後30分以内の服用は避ける必要がある。

 

水分だけでなく、食事の影響もあるため食後の服用は避けるように指導する。
食直後の服用では吸収が低下し、効果も減弱するとされている。

 

☑︎中枢生尿崩症の場合、服用タイミングはいつも同じにする必要がある
食後投与から食前投与に変更した場合、血中デスモプレシン濃度が高くなり副作用の発現リスクが上昇する可能性があるため

 

 

☑︎一包化、粉砕、半割は避ける
水分に弱い薬のため
服用直前に、乾いた手で取り出しすぐに服用する必要がある。
ミニリンメルトQ&Aより https://find.ferring.co.jp/minirinmelt/qa.php

 

ミニリンメルトで是非覚えておきたいこと

 

Noriko

ミニリンメルトは剤形の特徴だけではなくて

規格(用量)による適応の違い
また、併用禁忌の違いも特徴的です。

 

例えば、ミニリンメルトには5種類の規格がありますね

 

25, 50, 60, 120, 240μg

これらのうち、25と50の適応は

「男性における夜間多尿による夜間頻尿」

それ以外は

「夜尿症、中枢性尿崩症」となっています。

 

そして、さらに25と50は

併用禁忌としてループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬があります。

もちろん、低ナトリウム血症の患者など患者の条件としてもいろいろ禁忌はありますが、

ループとサイアザイド系の禁忌が

デスモプレシンの中でも適応が限られたものであり

それがミニリンメルト25と50にあたります。

 

Noriko

ミニリンメルトは特定の患者さんでしか出ないかもしれませんが、

利尿薬は処方がとても多いですよね。

というわけで、絶対押さえておきたい特徴だなと思います。

これらの特徴はインスタでもまとめています。

よかったら参考にしてください☺️

 

 

 

 

 

 

Noriko

というわけで、

一般的にはOD錠は、水ありなし関係なく服用できますが
ミニリンメルトOD錠は注意!

それだけはしっかり覚えて置いて
服薬指導には指導箋を利用して説明したいですね。

 

 

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