医薬品副作用被害救済制度について知っておきたいこと



医薬品副作用被害救済制度について知っておきたいこと

 

医薬品救済制度ってご存知ですか?
医療場の方でも意外に知らない方が多いので
今回まとめてみました。

医薬品副作用被害救済制度とは?

医薬品等を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による健康被害を受けた方に対して、
医療費等の給付を行い、被害を受けた方の迅速な救済を図ることを目的として、昭和55年に創設された制度であり、
医薬品医療機器総合機構法に基づく公的な制度です

参照:PMDA医薬品副作用被害制度の概要

 

給付の請求は、誰が、どうやるの?

健康被害を受けた本人(または遺族)等が、請求書、その他請求に必要な書類(診断書等)をPMDAに送付することにより、

医療費等の給付の請求を行います。給付の種類に応じて、請求の期限や請求に必要な書類等が定められています。

参照:PMDA医薬品副作用被害制度の概要

 

Noriko
と言うわけで、請求は本人、または遺族が行うんですね。
とはいえ、どこに請求、誰に請求するかなど全くわからないと思うので、
ぜひ医療従事者の方から情報をお伝えしたいですね。

 

救済の対象となる場合について

医薬品等を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による

・疾病(入院治療を必要とする程度のもの)
・障害(日常生活が著しく制限される程度の状態のもの)
・死亡

 

Noriko
疾病に対するポイントは
入院治療を必要とする程度のものか
ということだと思います。
ちょっと湿疹が出た程度の場合は対象になりません。

 

 

ドラッグストアーで購入した医薬品も対象になるの?
対象になります。
ただし、対象除外医薬品がありますので注意が必要です例)殺虫剤、動物用医薬品、消毒薬など
また、必要な書類として、医薬品名、販売年月日等を記載した販売証明書を購入先の薬局等で書いてもらう必要があります。そのため、レシートなどは必ずとっておいた方が無難ですね。

 

添付文書に既に書かれているような副作用も対象になるの?
対象になります。
予測できるできる副作用でも、条件が満たされれば対象になります。

 

 

 

対象とならないの場合について

 

(1)法定予防接種を受けたことによる場合
任意に予防接種を受けたことによる健康被害は対象になります。

法定予防接種については別の公的救済制度があります。

 

(2)医薬品等の製造販売業者などに損害賠償の責任が明らかな場合

この場合は、責任のある業者などに直接対応してもらうことになりますね。

 

(3)救命のためやむ得ず通常の使用量を超えて医薬品等を使用したことによる被害で、その発生が予め認識されていた等の場合

救急の場面では、他に選択肢がない場合、通常の量を超えて使用することがあります。そういった場合はそのリスクも分かった上での投与になるため対象とはなりません。

 

(4)対象除外医薬品による健康被害

対象除外医薬品の例を挙げてみます。

1. がんその他特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品等であって、厚生労働大臣の指定するもの(抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤など)
*血液製剤、抗HIV薬、インターフェロン、除外とならないテガフール配合剤、アトピー性皮膚炎に用いるシクロスポリン及び関節リウマチに用いるタクロリムスについては使用時期により対象外となるものがある
(その他にもありますので個別で確認する必要があります)

2. 人体に直接使用されないものや、薬理作用のないもの等副作用被害発現の可能性が考えられない医薬品
(動物用医薬品、殺虫剤・殺そ剤、体外診断薬、賦形剤など)

 

(5)副作用のうち健康被害が入院治療を要する程度ではない場合や、日常生活が著しく制限される程度の障害ではない場合、
請求期限が経過した場合
医薬品等の使用目的・方法が適正であったとは認められない場合

 

 

Noriko

もらった薬を飲んだ
よく効いてほしくて倍量飲んだ
子供に大人の薬を半量で飲ませた
など、適正使用でない場合は対象にならないので注意が必要ですね!

 

 

救済給付請求の具体的の具体的な流れ

 

健康被害を受けた本人(死亡した場合はその遺族のうち最優先順位の人)が請求書に必要な書類を添えてPMDAに直接行います

 

①請求に必要な書類様式を入手
(種類、症状により様式が異なります。
請求書、診断書などの用紙はPMDAのHPからダウンロードもできますが、
本人、家族からの申し出で無料で送ってもらうこともできます。)②請求に必要な書類を作成し、PMDAに送付して請求③PMDAが受理した後、厚生労働大臣に判定の申し出を行い、
薬事・食品衛生審議会で審議され支給の可否が判定される④判定結果はPMDAから文書でお知らせが届く

PMDAのサイトに移動します⇨医療費等の請求手続き

 

副作用救済給付の種類について

◉医療費
(請求期限:5年以内)

副作用による疾病の治療に要した費用

 

◉医療手当て
(請求期限:5年以内)
副作用による疾病の治療に伴う医療費以外の費用負担について給付されるもの

 

◉障害年金
(請求期限の制限なし)
副作用により一定程度の症状の状態にある18歳以上の人の生活保障等に給付されるもの

 

◉障害児養育年金
(請求期限の制限なし)
副作用により一定程度の障害状態にある18歳未満の人を養育する人に対して給付されるもの

 

◉遺族年金
(死亡のときから5年。ただし、医療費、医療手当て、障害年金または障害児養育年金の支給の決定があった場合には、その死亡のときから2年以内)
生計維持者が副作用により死亡した場合に、その遺族の生活の立て直し等を目的として給付されるもの

 

◉遺族一時金
(請求期限:遺族年金と同じ)
整形維持者以外の人が副作用により死亡した場合に、その遺族に対する見舞等を目的として普及されるもの

 

◉葬祭料
(請求期限:遺族年金と同じ)
副作用により死亡した人の葬祭を行うことに伴う出費に着目して給付されるもの

 

 

 

健康保険などを使用した場合はどうなるの?
健康保険等による給付の差額を差し引いた自己負担分のみ補償されます

 

複数の病院等に治療を受けた場合はどうする?
それぞれの医療機関から診断書等を作成してもらう必要があります。

 

 

Noriko

と言うわけで、
救済制度についてまとめてみました。

入院した場合など、その医療従事者などが救済についての情報を患者さんにしっかり伝えてあげられればいいのですが、
そのことを知らないでいると、
救済を受けずに終わってしまうことがあるかもしれません。

ぜひ、こういった制度があると言うことを皆さんに知って欲しいなと思います

 

 

こちらでは、
薬剤師で、教材クリエイターのNorikoが
日々気になったことや、学びたいことを学んでまとめております。
基本的には、教えるのではなく、
自分の学びのためにまとめております・
追加情報や、改訂など随時更新できたらと思っています。

 

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