胃カメラとバリウム検査どっちがいいの?
先日患者さんに
「検診で胃カメラと
バリウム検査(胃透視検査)
どちらでも選べるんだけど
どっちの方がいいのかしらね〜」
と聞かれまして、
「私はいつも胃カメラですよ。」
と理由をつけてお答えしました。
今回はそのことについてまとめたいと思います。
「医師でバリウム検査を受ける人はいない!」
とも言われています。
それはなぜなのでしょうか?
それぞれの特徴、メリット・デメリットについても
取り上げてみたいと思います。
そもそもバリウム検査って?
通称バリウム検査は上部消化管造影検査と言います。
(胃透視検査,胃部X線検査などと言われることもあります。)
ただ、難しくてわかりにくいので、
検査時にバリウムを服用するためバリウム検査と言われることが多いですね。
検査方法ですが、
まず、造影剤と発泡剤を飲み、造影剤を体の回転により胃・十二指腸粘膜表面に付着させて、レントゲン写真を撮影します。
というわけでバリウム検査はレントゲン検査です
ちなみに検査で飲むバリウムはどんなものでしょう?
通称バリウムとはどろっとした、甘い液体なのですが、
発泡剤が入っているため(炭酸水のような感じですね)
すぐにゲップがしたくなります。
(味自体は私個人としては嫌いではありません😋
ただどろっとしてるのがね・・・)
でも、この発泡剤は胃を膨らますために服用するので、
ゲップを堪えなければいけません。
その状態で、自分で回転してそのドロッとした液体を胃粘膜全体に行き渡らせるわけですが、
これが結構大変なんですよ・・・
病院によっては、台が自動で回転して
自分で動かなくていいところもあります
(なんかアトラクションみたいで面白いですよw)
検査技師さんに動きをいろいろ指示されて
ゲップは出そうになるし、気持ち悪いしで
結構げっそりしてしまうこともあります。
又、先ほども書きましたように
これはレントゲン検査になります。
つまりX線照射があるわけですが、
なぜか、日本人はレントゲンに抵抗がない方が多いですね。
気にするのは妊婦さんくらいでしょうか?
なぜ胃カメラをお勧めするかは、まず胃カメラの特徴について確認したいと思います。
胃カメラって?
胃の中に小型カメラを入れるため通称胃カメラと言われていますが、
要は『内視鏡検査』ですね。
なので、胃で使用する時は、胃内視鏡検査になりますね。
カメラと言っても、かなり小さいチューブを飲み込むわけですが、以前の太いチューブに比べて、最近ではとても細くなってきています。
以前は1cmほどあった太さも、最近では5mm以下のものも出てきているようです。
それらは主に鼻から入れる、つまり『経鼻内視鏡検査』
として使われますが、喉から入れるよりもかなり楽だと言われています。
喉から入れると舌の奥の方を刺激して、
つい「オェッ」となってしまうんですね。
又、経鼻だと、検査中に会話ができるのも利点と言われています。
よほど鼻の穴が小さくて、入らない場合以外は鼻からするのが主流のようです。
レントゲンよりも、より多くの情報を得ることができます。
胃カメラ、バリウム検査、それぞれのメリットは?
検査を選ぶ上で、とにかくメリットデメリット知らなくては始まらないですね。
まずはそれぞれのメリットを確認してみましょう。
胃カメラのメリットについて
・X線照射がない(つまり被曝しない)
・患部を直接見ることができるため早期癌の発見率が高い
・その場で細胞採取をしたり、ポリープの除去などの処置ができる
レントゲンの被曝なんて大したことないでしょ?
と思われるかもしれませんが、
がん検診なのに、レントゲンによる被曝で癌になったなんて
洒落になりません。
レントゲンのせいとは言えませんが、
少しでもリスクを上げるものは省いていきたいですよね。
ポリープなどをその場で取ってしまえるのも内視鏡だからできることですね。
バリウム検査のメリットについて
・検査は医師ではなくレントゲン技師も行える
(つまり人件費を抑えることができるという病院よりのメリットですね)
・技術はそれほど必要ない
(もちろん、レントゲンを撮るという技術は必要ですが、胃カメラの操作のような特殊な技術は必要とされません。まあこれも病院側のメリットですね)
・検査による身体への負担が比較的少ない
・前処置などを含め、検査時間が短縮できる
・スキルス胃がんの場合内視鏡よりも有効な場合がある
バリウム検査はほとんどが病院側のメリットになりますね。
どちらを選んでも価格は同じかそれほど変わらないことが多いですね。
胃がん発見確率なども考えると健康診断のスクーリニングとしては、やはりバリウムよりも胃カメラの方が勧められるのも頷けますね。
胃カメラ、バリウム検査、
それぞれのデメリットは?
メリットが多くても、もちろんデメリットも重要ですよね。
では今度はデメリットについて確認してみましょう。
胃カメラのデメリットについて
・医師でないと行えない。つまり人件費も高くなる
・一人当たりにかかる時間が長い
・検査中の患者さんへの負担が大きい
(経鼻検査や、鎮静剤の使用により、負担を軽くすることができます)
・出血などのリスク※がゼロではない
・スキルス胃がんの場合発見は難しい
・検査費用が高い(検診時の補助で同額になることもあります)
※出血などのデメリットについてですが、いわゆる視鏡検査の際起こりうる偶発症は約0.0023%で、10万件に2人の割合で起こるとされており、割合はとても低く安全性の高い検査と言われています。
過剰に心配する必要はないと思いますが、中には深刻な結果に至ったものもあり、100%安全な検査はありません。
特に大きなデメリットはないように思います。
バリウム検査のデメリットについて
・X線被曝がある
・早期癌の発見率が胃カメラに比べて圧倒的に低い
(患部の凹凸しかわからないため、検査で発見されない事例が多い)
・バリウム検査で引っかかると結局胃カメラをすることになる
・バリウムがうまく排出されないことで腸閉塞を起こす恐れがある
(便秘持ちの方は特に注意が必要)
・バリウムの誤嚥による危険がある
(特にお年寄りは注意!)
・検査台からの落下事故が多い
(自分で動かなければならない場合)
バリウム検査の後に下剤をもらうことが多いですが、
もし普段から便秘がひどい方だと、その量では足りないことが多いです。
その場合は、検査時にしっかり相談された方がいいと思います。
又、検査台からの落下は年配の方に多いようです。
ハイテクな自動で回転する台がある病院ならいいのですが、
そうでない場合は、台の上で指示通りに体の向きを変えるのはとても大変です。
私は、自動で動く台と、自分で向きを変えるのと両方経験がありますが、
自分で向きを変えるのはとても大変でした。
私の場合検査技師さんの指示があまり上手でなかったので、どう動いたら良いの変わらず
「違う違う!そうじゃない!」と怒られて嫌な思いをしました。
なので、管を入れるという負担はないかもしれませんが
バリウムもそれなりに負担があると思われた方がいいと思います。
ところで、気になる放射線量の被曝ですが
検査 | 一般的な胸部レントゲン | 胃バリウム検査 |
医療被ばく線量 | 0.05mSv | 4.0mSv |
というわけで、
胃バリウム検査では胸部レントゲンに比べて80倍の被曝線量があります。
とは言え、体に害がなければいいとは思いますが、実際はどうでしょうか?
「なんだ、50回分は大丈夫!」
と思うかもしれませんが、
被曝は微量ですが自然界からもありますし、
検査で被曝があるのはレントゲンだけではありません。
代表的な検査としてはCTなどがありますが、
他に選択肢があるのにあえてレントゲン検査を選ぶ必要はないですよね?
もし、
「うちではバリウム検査しかできません。」
と言われたら、
検査ができる病院はいくらでもあります。
他をあたってみましょう。
どちらもメリット・デメリットはありますが、
圧倒的に胃カメラの方がメリットが高い。
そもそも、ほとんどの消化器科医も胃カメラを推奨しています。
もしバリウム検査の方をお勧めする医師がいたら・・・
私は信用できないかな〜。
結論としては
バリウム検査よりも、選べるのであれば胃カメラ検査をお勧めします。
というお話でした。
薬剤師の皆さんも、そういった相談を受けることがあると思うので、
参考にしていただければと思います。
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