今回は、医療通訳技能検定2次試験のレビューの続きです。
試験内容についてはわかっていても、
実際の試験の様子ってどこにも書かれていなくて、私自身ちょっと不安だったんですよね。
なので少しでも参考になればと思ってお伝えしようと思います。
ちなみに、私は2次試験を2回受けたことがあります。
どちらも1級なので1級のレビューですが、流れは2級も同じだと思います。
また、この試験は年々改善されたり、変更が多いのであくまで過去の試験の様子として参考にしてください。
ではどうぞ。
こちらの記事は2020年作成になります。
現在の試験内容に関してはご確認ください
- 2次試験について
- 試験当日の会場の様子について
- 実際に試験を受けた時の様子について
- 試験当日の服装について
*今回の内容は旧ブログで書いた内容を手直しして作成しています。
2次試験について
前回2次試験について、簡単に概要をお伝えしましたが、
もう少し具体的にお伝えしようと思います。
まず2次試験とはこのように定義されています。
2次試験は1次試験合格者を対象に実技のロールプレイイング試験を実施します。
医療知識・語学力・通訳力・礼儀・態度・服装等が評価基準となっています。
また、採点方法は教室で2人の試験官が採点しますが、慎重を期す意味からも録音を行い、他の試験官が聞き、突合せの会議を行って最終判定を確定します。
(協会HPより)
というわけで、評価基準は英語力だけではありません。
礼儀・態度なども入るんですね。
また、試験内容は録音され、後でしっかり合否判定がされるようです。
というわけで、
当日あたった試験官によって合否が分かれるということはない様子。
また、2次試験を受けるということは
もちろん1次試験に受かっているのが前提ですが、
1次試験は筆記の問題が共通なのに対して、
2次試験(面接)は、1級と2級とで内容が異なるそうです。
1次試験の結果によって、
2次試験はどちらを受けるのかが変わります。
1級:80%⇨80点以上
2級:65%⇨70点以上
なにやら変更があったようですね。
また受験資格も最近追加になった様子。
こんなの昔なかったのにな〜。
①医療通訳養成講座または養成学校を修了した方
②医療通訳の実務経験1年以上の方
③当試験委員会に前各号と同等と認められた方
私は1も2も該当しないので、今だと受験資格がないかもしれません。
85点以上
受験票はメールで送られてくる添付書類を自分で印刷して持っていきます。
(私の時はこうだったのですが、今後どうなっていくのかはわかりません)
また、1次試験は1度受かると1回だけ免除されます。
※受験した次回の試験に限って、1次試験免除で、2次試験を受ける資格があります。
資格は、次回試験1回のみ行使できます。(協会HPより)
この1回というのは、私の時は1年以内という期限があり
1回飛ばして、その権利を次の回(ちょうど1年後)に使うことも可能でした。
(私は翌回が都合悪く受けられなかったので、2回後に使いました。)
英検のように1年間で3回もチャンスがあるわけではないのでちょっと厳しいですね💦
と言うわけで免除のチャンスは一回だけのようです。
期限については確認してください。
試験当日 会場の様子
私が受けた二次試験で集まったのは東京会場で20人弱くらいでしょうか?
(午前と午後の部があったみたい。私は午前の部でした。)
今回は2級は別の日に試験があったようで
1級を受ける方ばかりでした。
(人気はあまりないと思いきや人数は年々増えているみたい)
ちなみにほとんどが英語と思いきや
中国語の方も結構いらっしゃいました。
なんとなくですが、
中国語を受ける方は
第1言語が中国語の方が多い気がします。
見た目変わらないのでわかりにくいのですが、
話を聞いてると、みなさん中国語なまりの日本語だったので。
逆に英語の方は第一言語が英語の方はあまりいらっしゃらない感じです。
試験会場に着いたら
受付を済ませて控え室に入ります。
その時に携帯電話を預けました。
控え室で簡単に試験の進行についての説明があります。
待っている間はテキストを見たり勉強することが可能です。
説明内容は、
持ち物はどこに置く、
机に置いていいもの、全体の進行などについての説明がありました。
説明が終わると
結構サクサクと試験が始まりました。
私は始めのグループだったので
そう感じたのかな?😅
何名か呼ばれて、番号の部屋まで誘導されました、
いくつもの部屋で同時進行されていたようで、試験官が準備ができたら呼ばれて入室という感じです。
この辺(各部屋で同時進行)は英検のような感じですね。
実際に試験を受けた時の様子
呼ばれたら、すべての荷物を持って指定された部屋の前に行き
(元の控え室には戻れないので全て持っていきます。)
ノックして入室
2〜3mほど向かいに左に医師役
右に患者役の試験官が並んで座っており、
それに向かい合うようにして座ります。
結構距離を感じます。
前回は入ったらまず受験番号と名前を言うようにと言われた気がするのですが、
今回は試験前の説明で、まず荷物を置いて、座ってから受験番号と名前を言うようにと指示がありました。
この辺もその都度変わるかもしれないので、直前の説明をよく聞いてください。
荷物を横に置き、
筆記用具と、あれば辞書だけを机に置いて
受験番号と名前を言います。
以前はボールペンが用意されていましたが、今回から持参の筆記用具を使うことになりました。
実は私はボールペンよりシャーペンの方が書き取りしやすいので、シャーペンで行いました。
また辞書は一応電子辞書を持って行きましたが、使うつもりはありませんでした。
電子辞書を持って行く方は、電源を入れて、検索しやすい状態にセットしておいたほうがいいと思います。(書籍は大丈夫ですが、タブレット類は使用禁止です)
メモ用紙はすでに用意されており
横に予備の紙も用意されているので何枚でも使えます。
以前はお願いしないともらえなかったのですが、それが時間ロスになると言う指摘があったようです。
試験開始は自己紹介からで、ストップウォッチはこの時に押されます。
以前は入った瞬間押されたような〜?
この辺も以前よりは時間に余裕ができた感じですね。
自己紹介が終わると
早速通訳の開始です。
私の場合医師役の方から
「どうしましたか?・・・・・・」
みたいな内容で始まったと思います。
試験官の話す速さですが、ゆっくりめだと思います。
前回もそうでしたが、
日本語も英語もゆっくり目のCD教材のような感じでした。
なので、速さについてはそこまで心配しなくてもいいんじゃないかな?と思います。
また、患者役の方の英語ですが、
1回目の試験の時はちょっと日本語訛り(帰国子女などではなさそう)でしたが、
2回目はとても綺麗な発音だったので、おそらく帰国子女などのバイリンガルではないかと思います。
いづれにせよ、外国の方ではなかった感じです。
これはたまたまかもしれません。
大抵、前半で患者役が
かなり長い文章を言い、
後半に医師が長めの説明をすることが多いようです。
だからそのつもりでメモ取りも気合い入れて行った方がいいかもですね。
ただ、今回はそのつもりで行ったら後半にも患者役の長文があって
ちょっとワタワタしました💦
と言うのも、私の場合日本語のメモは取り漏れしないのですが
英語の方はメモが苦手で思いの外長くなるとメモが間に合わないのです・・・
患者がいいそうなことは記号を用意していない内容が多くて、
いつもよりメモ取りが大変なのです💦
医師の手術の説明も長かったなぁ・・・
「え?まだ続くの?この辺で一回切って!💦」
と思っても、もう1文続くような感じでした。
私が聞き返したのは、
・数字が出てきたところの数字の確認と
・患者が長々と言ったところを2箇所ほど聞き返した
という合わせて3箇所でした。
前回は、自身ないところもなんとなくで訳して
1度も聞き返さず失敗したので、
今回は確実に行こうと、行けると思ったところも一応数値などは確認しました。
ただ、聞き返したのは前半のみで、
後半になると、微妙と思いつつも時間切れが心配で
勢いで訳したところもありました。
あとは、後半はちょっと波に乗ってきた感じもあったので
そのまま行けたという感じもあります。
ちなみに、以前は全体的にどんなに素晴らしい通訳をしていても
大きなミスを1つでもするとそれだけでアウトになっていたそうです。
例えば数値のミスとか病気の名前の間違えとかですね。今回から、さすがにたった一つでアウトはないだろうとそれはなくなり、全体的に9割訳せれば良くなったようです。
(と思ったら、どうやらまた変更になり8割5分で良くなったらしいですね。この5%はどう響くのだろう?)
何はともあれ、9割程度って結構大変なんですよね😓
例えば
「昨日の朝、家の近くを30分ほど散歩していたら急に右足に痛みを感じたのですが、その日は仕事が忙しく痛みを我慢して歩き回っていました。
今朝起きたら痛みがひどくなっていて、腫れも出てきたので受診することにしました。」
と患者が言ったとします。これ1回聞いただけで全部完璧に覚えて正確に訳せますか?
もちろん、英語が得意な方は
完璧にメモが取れて、ちょっと時間をかけたら誰でも訳せると思いますが、
聴きながらメモを取り、間髪入れず全て落とさず訳さなければなりません。
結構厳しいと思うんですよね。
(私なんて日本語ですら厳しいですよ💦)
同時通訳だったら一字一句正確に訳さなくても
要約が合っていれば許されそうですが、
逐次通訳なのでどれか抜けるとチェックが入ります。
私だったら
「朝」 「家の近く」 「急に」 「右」
など細かい詳細の辺りをどこか落としそうです。
実際の試験ではどの程度減点になるかわかりませんが、
こういう細かいところも確実に抜けないように訓練したほうがいいようです。
まあ、通訳の現場ではそこまで要求されないと思うんですけどね。
これは試験なので仕方ない😓
私の場合、メモがないと絶対落とすので、基本的に全てメモで残すようにしていました。
でも、長いセリフを文章でメモを取るのは不可能なので、
自分で記号を決めました。
記号を決めたおかげで、話されると基本記号を残すだけで長い文章も後から再現できるようになりました。
ちなみに、私はこういうメモ取りを習ったわけではないので、
全て独学です😅
あ、いつものことですね🤣
私はこのメモ取りの練習にかなりの時間を費やしたので
結構訳出は早い方だったと思います。(フィードバックで早いと言われました。)
試験官が話終わるのと同時にメモを見ながらすぐに訳を始めます。
それでもやっぱり時間切れが心配であまり聞き返しができませんでした。
受けた方の話を聞くと結構
「時間切れをした!😭」という方がいらっしゃいました。
それを聞いていたので、なかなか聞き返せなかった・・・
でも時間切れを気にするばかり
曖昧な聞き取りで訳してしまってアウトになるより
やっぱり自信がないところは聞いた方がいいと思います。
(私はそれで1回目落ちた・・・)
ちなみに
普通に聞き返すとフレーズの始めから言われて時間が勿体無いので
ピンポイントで聞き返せるように質問の練習もしたおいた方がいいかもしれません。
例えば、いくつか検査名が出てきたときに
初めの検査だけ忘れてしまったら、
「すみません、1つ目の検査名をもう一度言っていただけますか?」
のような感じです。
そうしないと、試験用に切られたワンフレーズを始めから読まれてしまい時間のロスになります。
または数値の聞き取りに自信がなかったら
「先生、血圧の数値は〇〇/〇〇でよろしかったでしょうか?」
など具体的に聞くのがいいかと思います。
私も実際、下のような感じで確認のための質問をしました。
特に数値の間違いや、病名などの間違いは減点が大きいらしいので、
ここぞというときに聞き返した方がいいかと思います
こんな感じで、私の場合
15分間集中マックスでとにかく機械のように訳すことを繰り返していたら
いつの間にか終わっていました😅
試験終了を告げられたら
荷物をまとめてお礼を告げて部屋を出て終了です。
試験時の服装について
服装に関してですが、一応ドレスコードがありまして、
まあ、奇抜な格好でなければ問題ないと思いますが、
地味な清潔感のある格好がいいそうです。
この辺は日本っぽいですよね。
女性はスーツがいいそうです。
ちなみに、私はちょうどいいスーツがなかったので、
グレー系のスカートと白いブラウスに黒のカーディガンで行きました。
でも問題なかったです。
(入学式用はあったんですが😅、ビジネススーツは持ってないんですよねぇ。)
でも女性はスーツが多かったなぁ。
まあ、派手な格好をしていかなければ問題ないと思います。
男性はスーツでなくてもいいそうですが
カジュアルフォーマル?
ジーンズはアウトだそうです。(本当かどうかはわかりません)
また、
靴はコツコツ音がしないローヒールがいいそうです。
会場によっては音が目立って減点になるとか。
と言うわけで、
試験当日の様子についてお伝えしました。
私は学校に行っていたわけではないので受ける前にこういった情報がなく、
誰か教えてくれないかな〜と思っていました。
なので、少しでもどなたかの参考になれば嬉しいです😊
*これは私が受けた時の試験の様子です。
この試験はまだ始まったばかりで改善を繰り返しているようですので、
もし受けられた方で、最新の情報をお持ちの方は教えていただければ嬉しいです。
情報をいただけましたら、こちらの内容も更新していこうと思います。
関連