「風邪を引いたらビタミンCとった方がいいよ〜」
について、本当に効果があるのか?
について調べました。
ビタミンCとは?
ビタミンCはアスコルビン酸としても知られ、水溶性ビタミンです。
酸化防止作用を持ち、タンパク質であるコラーゲンを生成するためにもビタミンCを必要とします。
また、ビタミンCは、植物性食品からの鉄の吸収を促し、
病気から身体を守るために免疫系が適切な働きをするのを助けます。
なぜビタミンCが風邪に効くと言われているの?
1970年代に、ノーベル賞受賞者であるライナス・ポーリングがプラセボ比較試験の結果から、
ビタミンCが風邪を予防・緩和する可能性があると結論付けたから
ビタミンCは今現在でも、予防薬や治療薬として用いられている。
というイメージがありますよね。実際に過去に効果についての発表があったのですね。
風邪への罹患率は変わる?
と一生懸命サプリを摂取しても
風邪にかかる人はかかる、それは変わらないようです。
というと、そうとも言い切れないようです。
風邪症状は緩和する?
風邪を引くことに関してはあまり効果が期待できないようですが、
風邪を引いた後の効果はどうでしょう?
これは風邪を引いてから摂取したのではなく、普段からビタミンCを摂取している場合の話です。
風邪患者9,745件を対象とした試験によると
風邪の治りを早める効果は期待できるのですね?
症状が出てからのビタミンC摂取は効果がある?
普段からビタミンCを摂取しているのではなく、
すでに風邪に罹患してから接種を始めても効果があるのでしょうか?
これに関しては風邪の持続期間の短縮は見られなかったけれど、
検証された実施数が少なかったことから、まだまだ検証の価値があるとされています。
また、定期的な摂取における効果や、
小児において、風邪症状の期間短縮における効果が成人よりも見られたことから、
今後さらなる検証が必要とされています。
効果についてはまだ未知数である(今の所あるとは言えない)
発症後の摂取は効果があるかもしれないし、
ないかもしれない。
(今の所あるとは言えない)
ビタミンCの風邪症状に対する効果のまとめ
☑︎普段からビタミンCを摂取している人は
風邪に罹った場合、摂取していなかった人よりも若干改善が早かもしれない。
☑︎上記に関して、小児は成人よりもより改善への効果が期待できるかもしれない。
☑︎風邪を発症してからの摂取は、あまり効果は期待できないかもしれない。
(が、常時摂取における効果を考えるとゼロとは言えない)
☑︎普段からのビタミンC摂取で効果(症状持続期間の短縮)が見られたのは
1日あたり200mg以上摂取した場合のデータである。
というわけで、
1日分のビタミンCってどれくらい?
ところで、1日分のビタミンCをとっていれば十分効果が期待できるの?
と疑問に思ったので調べました。
厚生労働省によると1日の平均摂取推奨量は以下のようになります。
生後6カ月 | 40 mg |
幼児7-12カ月 | 50 mg |
小児1-3歳 | 15 mg |
小児4-8歳 | 25 mg |
小児 9-13歳 | 45 mg |
10歳代14-18歳:(男子) | 75 mg |
10歳代14-18歳:(女子) | 65 mg |
成人(男性) | 90 mg |
成人(女性) | 75 mg |
10代の妊婦 | 80 mg |
妊婦 | 85 mg |
10代の授乳婦 | 115 mg |
授乳婦 | 120 mg |
喫煙者の場合、上記の値に35 mgを加える必要があります。
ejim:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
これを見ると成人の摂取推奨量の2倍以上の摂取で風邪症状の期間短縮が見られたことになるので、
風邪の時期はビタミンCの効果を期待するなら
ちょっと意識して摂取した方がいいかもしれませんね
とはいえ、もうすでに風邪を引いてしまった場合、
食欲がないのに、無理して果物を食べたり、
頑張ってサプリを買いに行って飲む必要はなさそうです。
と書かれていることがありますが、レモン1個分のビタミンCはどれくらいだかご存知ですか?
レモン1個分のビタミンCの量は?
社団法人全国清涼飲料工業会 社団法人日本果汁協会によると
現在はこのような表記基準になっているようです。
清涼飲料水に添加されたビタミンC量をレモン果実の個数により表示する場合には、
レモン果実1個当たり「20mg換算」を基準とする
つまり、
今回常時摂取による効果が見られたのは1日200mg以上のため
レモンで換算するとレモン10個分のビタミンCとなりますね。
レモン10個分と見るとすごい量に思えるかもしれませんが、
レモンで考えるからいけないのです。
例えばいちご🍓だと2個でレモン1個分に相当するビタミンCが摂取できます。
(まあ、一日イチゴ20個は食べるのは余裕でもなかなかお値段が・・・)
他にもビタミンCの多い食べ物はたくさんありますが、
もし果物や野菜を普段あまり食べないという方は
サプリメントを検討してもよさそうですね。
ビタミンCは摂りすぎの心配はない?
ビタミンCは水溶性だから多く取りすぎても問題ない
とよく言われますが本当でしょうか?
体内に鉄が過剰に蓄えられるヘモクロマトーシスと呼ばれる疾患の患者では、
高用量のビタミンC摂取によって鉄過剰症が悪化し、体組織が損傷する可能性があります。
というわけで無害というわけではありません。
ちなみに、この胃腸障害の原因は過剰に吸収されると言うことではなく、
消化管で吸収されなかったビタミンCの浸透圧効果による副作用
と言われています。
そのため、一応ビタミンCの安全な上限値というものが設定されています。
生後12 カ月 | 設定数値なし |
小児1-3歳 | 400 mg |
小児4-8歳 | 650 mg |
小児9-13歳 | 1,200 mg |
10歳代14-18歳 | 1,800 mg |
成人 | 2,000 mg |
ejim:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
というわけで、
水溶性だから別にいくら摂ってもいいんだ〜とは言えませんね。
市販の医薬品やサプリメントを摂取している場合、2000mgは余裕で越えることができるので
いくつも併用する必要はないですね。
また
吸収は50%未満に低下し、代謝されていないアスコルビン酸が尿中に排泄される
と言われています。
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020 年版)では
『ビタミン C の摂取量と血液中濃度、体外排泄を検討した研究から1 g/日以上を摂取する意味はないことが示されている』とあります。
と言うわけで、
例えば美容目的などで
抗酸化作用〜❣️と期待したくさん摂取した場合、
例え副作用が起きなかったとしても
やっぱりほとんど無駄になってしまうなら
初めから適量を摂取すれば十分ですね。
薬剤師的にアドバイスするとしたら・・・
風邪をひいてからよりも
普段から十分なビタミンCを摂っている方が風邪には効果があるようですよ。
普段からビタミンCが足りない人は
ビタミンCを多めにとっている人よりも風邪が長引くことがあるそうですよ。風邪の時期は食事でビタミンC意識してとるといいかもしれないですね。
柑橘類や、キウイフルーツ、いちご、ブロッコリーなどに多く入っています。
食事のバランスに自信がない場合は
普段からサプリなどでビタミンCをしっかりとると、風邪を引いた場合いつもより早く治るかもしれませんよ。でも成人の場合最大量が2000mgと言われているので
多ければ良いというものではありません。
喫煙している場合は、
喫煙しない方よりも意識的にビタミンCをとるようにした方が良いそうですよ
日々の学びをブログとインスタでアウトプットしています。
よろしかったらフォローしてくださいませ
こちらです⬇︎
一番強力してくれた転職サイト!
追加情報などもちょこちょこ連絡くれました。
私も登録しています(๑ ́ᄇ`๑) ⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎
⬇︎バイト派遣なら断然仕事が見つかるこちら
派遣とバイトに強い「ファルメイト」
YouTubeでは医療英語の他、薬のゴロ合わせなど
気軽に学べる動画をアップしています。
学びの学習、ぼやきはこちら⬇︎
参考文献:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』ビタミンC
Cochrane Library ”Vitamin C for preventing and treating the common cold”
National Center for Complementary and Integrative Health “Vitamin C”
当ホームページに記載されている内容は、学びのアウトプットとしての内容になります。内容の正確性に関しましては細心の注意を払ってはおりますが、内容を保証するものではありません。医療は時と共に内容が更新されることも多いためご自分で最新の情報をご確認ください。
処方内容に関しては自己判断せず、必ず医師の指示に従ってください。
掲載内容に不備・誤記等がございましたら問い合わせページよりお問い合わせください。