ヨクイニンとヨクイニン湯は全く別物

Noriko

今日はヒヤリハットに繋がりそうな
漢方の豆知識です。

私が勘違いしていたことなので、同じようにヒヤリとすることがないように参考にしていただければ幸いです。

 



ヨクイニンの色々

ヨクイニンというと

医療用ではいろいろな種類があります

ヨクイニン末

ヨクイニンエキス

ヨクイニン湯

 

Noriko

これを見ると成分はヨクイニンだけかな?と思ってしまいそうですが

実は成分や用途、効能効果なども異なります。

 

ヨクイニン末

ヨクイニン末は

ヨクイニンを粉砕し末としたもので調剤用として漢方処方の調剤に使われます。

そのため抽出したエキス剤とはまた別の扱いになります。

市販にもヨクイニン末があります

 

ヨクイニンエキス

ヨクイニンエキスは

ヨクイニンを抽出したエキスのことで
有効成分はヨクイニンだけになります。

効能効果:

青年性扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)

疣贅(ゆうぜい)とはつまり『イボ』のことです。

 

Noriko
医療用語は難しいことが多いですが、
イボと言い換えると分かりやすいですね。

 

医療用と市販では同じヨクイニンエキスでも効能の書き方が異なります。

市販のヨクイニンの効能:いぼ、皮膚のあれ

医療用と異なり、皮膚のあれという効能もあるため

美容目的で服用する方も多いです。

 

ヨクイニン湯(エキス)

 

医療の現場でよく扱う大手メーカーの2社を例に見てみます

クラシエよく苡仁湯エキス細粒・錠

ツムラよく苡仁湯エキス顆粒

 

効能効果:関節痛、筋肉痛

 

Noriko

効能効果はただのヨクイニンとは全く違いますね。

イボに対する効能は持っていません!

それもそのはず、成分が一つのヨクイニンと比べ、
ヨクイニン湯は基本7成分からなる配合薬なんですね。

というわけで全く別ものとをして見ないといけないですね

 

ヨクイニン湯トラップ

 

ヨクイニン湯が一つの成分と思われがちなのは

似たような漢方の名前の表記で
成分が1つのみでできたものがあるからだと思います。

例えば、『甘草湯』ですね。

これは成分がカンゾウのみになります。

そのため、ヨクイニン単剤があるので

ヨクイニン湯も1成分と思われることがあるようです。

 

湯がつくだけでこんなに配合されているなんて
びっくりですね(⌒-⌒; )

 

ヨクイニン湯はメーカーによっても内容が異なる!

ツムラとクラシエなど、
メーカーが異なる場合漢方ではよくあることですが、

ヨクイニン湯も、1日量のグラム数や
成分も一部など異なるところがあります。

用法が異なる事もあり、色々と一致しません。

ツムラ(7.5g中)

クラシエ(6g中)

ヨクイニン

8.0

8.0

マオウ

4.0

4.0

トウキ

4.0

4.0

ケイヒ

3.0

3.0

シャクヤク

3.0

3.0

カンゾウ

2.0

2.0

ソウジュツ

4.0

ビャクジュツ

4.0

 

Noriko

というわけで、

同じヨクイニン湯でも、メーカーによって内容が異なることがわかりますね

 

変更調剤について

 

漢方は変更調剤が許されていません。

というのも先発、後発という括りがないため

たとえ成分が全て同じでも勝手に変更することはできません。

 

また同じメーカーでも

散剤➡︎錠剤

などの変更も不可になります。

 

Noriko

全ての漢方メーカーを揃えるのは現実的ではないので、持っていても1メーカーだと思います。

もし、医師が処方したメーカーと同じものがない場合は取り寄せるか、疑義照会にて医師にメーカー変更のお許しを得て在庫しているメーカーに変える必要があります。

でもその際に、成分や配合量が異なることがあることがあるので注意が必要ですね。

 

そもそも「湯」「散」「丸」って違いは何?

ちなみに、漢方の語尾に湯や散、丸などが使われることが多いですね。

これらは、西洋薬のいわゆる錠、OD、カプセルの違いとは異なり
生物学的同等性はありません。

ではどのような違いがあるのでしょうか?

〇〇湯

湯は最もよく使用されるもので、生薬を煎じたもの

〇〇散

生薬を細かく砕いて粉末としたもの

〇〇丸

生薬を粉末にして、蜂蜜などで固めたもの

 

医薬品としてよく出回るのは「エキス製剤」ですが
エキスを乾燥(粉末化)させたもので、さらに顆粒剤や錠剤などにしたものもありますね。

 

Noriko

エキス製剤はよくインスタントコーヒーに例えられます。

エキス製剤にすることで、品質は安定し、また保管に便利な状態になります。
さらに、液体では飲みにくい漢方も顆粒や錠剤にすれば飲みやすくなる方も多いですね。

 

市販の散剤と丸剤も『エキス製剤』の場合はエキスを使用しているため
昔からのいわゆる散剤、丸剤とは違うそうです。

 

エキス製剤の場合は生薬の種類や量を定めた処方に従って調合したものなので
個人に合わせて調整はできません。

煎じ薬は毎日煎じる手間や、保管や携帯もしづらいデメリットもありますが、その人に合わせて調整できるのが利点と言われています。

 

Noriko

というわけで今回は個人的なヒヤリハットだったヨクイニンについてまとめました

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