こんにちは。Norikoです。
薬剤師インスタグラマーとしてお薬について発信しています
前回医療用のビオフェルミンを中心にまとめましたが、
今回は市販薬に注目してまとめてみようと思います。
ビオフェルミン市販薬は4つに分けられる
ビオフェルミンはブランド名でシリーズ化しており
ビオフェルミンと言っても成分も、効能も異なります。
大きく分けると4つに分類でき
①整腸剤
②ガス溜まりにフォーカスした整腸剤
③便秘薬
④下痢止め
の4つです。
今現在販売されているものはこちらです(2022/6現在)↓
ビオフェルミンというと整腸剤というイメージですが、
確かに整腸剤も入っていますがプラスαの製品もあります。
ではまずは整腸剤についてまとめてみましょう!
ビオフェルミン整腸剤3種の違い
まずはこちら
「新 ビオ フェル ミン エッスぅ〜♪」
とつい歌いたくなる昔ながらの新ビオフェルミンSについてですが、
これは新ビオフェルミンSプラスと比べるとわかりやすいです。
コンクって何???
コンクとは“concentrate”の略で濃縮という意味ですが
これには深い歴史があるのだそうです。
昔はただのビオフェルミンで⇨新ビオフェルミンとなり
最終的に新ビオフェルミンSとなったわけですが、
この最終進化系の時に、新たな技術で成分を10倍に濃縮することに成功したため
コング・〜といった表記にしたそうです。
今では3錠で済むようになったとのことで、だいぶ画期的ですね!
でも、実はその後発売されたビオフェルミンシリーズに配合された乳酸菌は
どれも濃縮タイプで
コンク・〜と同じ成分が使われているとのこと。
じゃあ、なんで新ビオフェルミンSにだけいまだにコンクってついてるの?
この製品が発売された当時は画期的な技術だったため
製品アピールのために成分の前にコンクとつけていましたが、
今では当たり前となったため、局方の記載方法に則って、コンクという記載は外されたそうな。
というわけで、早い話が
新ビオフェルミンSにだけ”コンク”とあるけれど、中身はシリーズの他の成分と同じで
成分を比べる時は”コンク”は気にしなくて良い!
ということですね
ちなみに医療用のビフィズス菌はどうなのでしょう?
答え
医療用も市販のビフィズス菌と同じで、菌株も同じです。
では、改めて基本の新ビオフェルミンSと
最新の新ビオフェルミンSプラスで比べてみましょう
先ほどお伝えした通り、コンクは気にしなくていいです。
そして、末も特に気にしなくて大丈夫。
要はビフィズス菌の半分がロンガム菌である以外、全く同じものとなります。
ビオフェルミンSそれぞれの成分の特徴は?
●ビフィズス菌
ビオフェルミンには2種類ののビフィズス菌が使われていますが、
これらは主に大腸で働きます。
新ビオフェルミンSでは定着性の高いビフィダム菌のみ
新ビオフェルミンSプラスでは酢酸を多く産生し、より効果を高めるロンガム菌
が配合されています。
●ラクトミン
どちらのビオフェルミンにも同じ成分が2種類配合されており、
これらは主に小腸で働きます。
善玉菌の増殖を助けるフェーカリス菌と
乳酸を多く産生するアシドフィルス菌の2種類です。
量的にはビフィズス菌とラクトミンの量自体は同じなので
効果は変わらない?と思われるかも知れませんが、
このロンガム菌がいい仕事をするようで、
やはりSプラスの方が上位品となり、お値段も高いです。
⬇︎まずは定番のビオフェルミンを試したい方に
大正製薬 新ビオフェルミンS錠 550錠 61日分 [指定医薬部外品]
⬇︎定番のビオフェルミンより効果を期待したい方にはこちら
大正製薬 新ビオフェルミンSプラス錠 550錠 61日分 [指定医薬部外品]
ビオフェルミンぽっこり整腸チュアブルの特徴
こちらはわかりやすい商品と比較すると
やはり小林製薬のガスピタンでしょうか😅
さすが小林製薬アピールがわかりやすいですね😅
実はどちらも、新ビオフェルミンSと同じ効能効果で
『整腸(便通を整える)、腹部膨満感、軟便、便秘』
なのですが、特にガスだまりにフォーカスした商品になっています。
ガスピタンの方はラクトミンは2種類の記載があり、量も少し多めですね。
それではそれ以外の成分の特徴を見てみましょう
ぽっこり整腸チュアブル・ガスピタンそれぞれの成分の特徴は?
ビフィズス菌やラクトミン以外の成分についてまとめます
●ジメチルポリシロキサン
腸内にたまったガス気泡をつぶし、ガスによるおなかのハリを改善します。
●ケツメイシ
腸のはたらきを整え、便を出しやすくします。
●パントテン酸カルシウム
これはビタミンの一種で、ビフィズス菌を増殖や乳酸菌の生育をサポートします。
●セルラーゼAP3
消化酵素の1種で、食物繊維を分解し、ガスの発生を抑えます
ふーん、医療用とはあまり関係なさそうだね🤔
と思われるかも知れませんが、一つ目の成分は
別名ジメチコンなので、薬剤師にはお馴染みガスコン、またはガスサールの成分です。
ジメチコンは医療用の効能効果は?
☑︎胃腸管内のガスに起因する腹部症状の改善
☑︎胃内視鏡検査時における胃内有泡性粘液の除去
☑︎腹部X線検査時における腸内ガスの駆除
検査の部分は置いておいて、
やはりガスに関する使用が多いのではないでしょうか?
医療用の用法は?
通常成人1日120〜240mgを食後又は食間の3回に分割経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減
とありますので、市販の用量である180mgは
なかなかのガッツリ量ですね!
というわけでガスが溜まりやすい方にはピッタリかも知れませんね。
⬇︎ガスだまりが気になる方に
【第3類医薬品】ビオフェルミン ぽっこり整腸チュアブルa 60錠
⬇︎噛んで飲める、持ち運びにも便利なチュアブル錠
ちなみに、ガスピタンはチュアブルタイプなので水なしでいつでも飲める!
というのが売りですが・・・
CMを見ると、会議中、電車の中、デート中などでもすぐ飲める!とありますが
確かにすぐ飲める・・・
でもそれがすぐに効くというわけではありません。
舌下錠じゃあるまいし、そんなわけありません。
また腸内環境を徐々に改善していくようなものなので、
しばらく継続してこそ効果が現れるものだと思います。
なので、
よ〜し、これがあればオナラが出そうになった時もすぐ飲めば安心だ!
という期待は持たない方が良いかと思います。
ビオフェルミン便秘薬の特徴
こちらは乳酸菌というより、酸化マグネシウムがメインのお薬ですね。
酸化マグネシウムといえば、最近市販薬がとても増えており
「クセになりにくい」
と言われる便秘薬になります。
医療用で言うとマグミットで知られていますね。
さらに、どの規格も、どのメーカーも酸化マグネシウムの1錠あたりの薬価が全く同じです。そのため、250mgでも、500mgでもどちらも1錠あたりの薬価は同じ🙄(2022/6現在)
この市販の酸化マグネシウム量は、意外にも医療用と同じ成人1日量が2000mgです。
なかなかの量ですね。
と言うわけで、便秘の具合によって調整することが大事ですね。
⬇︎腸活しながら便秘にもしっかり効果を期待したい方に
【第3類医薬品】ビオフェルミン酸化マグネシウム便秘薬 90錠
昔ながらの市販の便秘薬は
刺激性のものが多く、使っているうちに効きが悪くなってきたり
薬に頼りすぎて腸がサボってしまい、薬がないと便が出ないなんてことになりかねませんが、
酸化マグネシウムは効き目が弱くなっていくということがないと言われています。
ただ、高マグネシウム血症などの副作用もあるので、
漠然と使い続けるのではなくて、食事や運動、排便習慣なども重要ですね。
ビオフェルミン下痢止めの特徴
下痢止めというと正露丸を思い浮かべる方が多いかと思いますが、
ビオフェルミンでは2種類の下痢止め(止瀉薬)があります。
効能はどちらも同じです。
成分はどちらも大きな違いはありませんが、
いわゆる下痢止めに整腸剤をプラスした処方になっています。
どちらもロートエキスが配合されているので、患者さんの背景によっては注意が必要ですね。
⬇︎こちらは粉薬で、量が調整しやすく5歳から服用できます。
⬇︎こちらは錠剤で、11歳から服用できます。
粉薬が苦手な方や、PTP包装なので、持ち運びにも便利です。
医療用のビオフェルミンとの違い
実は医療用よりも市販の方が配合成分が多く、
目的によって選択肢も多いため、わざわざ病院処方してもらわなくても、市販薬で様子を見るのもいいと思います。
ビオフェルミン飲んでるけど問題ないよね?と聞かれたら
薬剤師は、市販で併用している薬について質問することがあると思いますが
「整腸剤?それなら特に問題ないですよ〜」
といいがちです。
確かにビフィズス菌などは多少とりすぎても問題ありませんが、
それがもし便秘薬の酸化マグネシウム配合だったり、
ぼっこり整腸チュアブル(ジメチコン配合)の場合
医療用のお薬との併用や、重複が問題になりますね。
市販のビオフェルミンを飲んでると言われたら、
その種類と確認するのは結構重要ですね。
以上、市販で買えるビオフェルミンについてのまとめでした。
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