薬剤師Norikoです。
今日は質問でとても多い
酸化マグネシウムのお話です。
(´∀`*)
酸化マグネシウムとは
医療用の酸化マグネシウムの効能はこちらです。
○便秘症
○尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防
一番利用されるのは、はやり便秘症ですね
医療用でも圧倒的によく処方されるのが酸化マグネシウムです。
☑︎習慣性が少なく、長期の投与も可能
☑︎用量調整がしやすい
高マグネシウム血症が問題になることがあり、
「酸化マグネシウム製剤 適正使用に関するお願い」として注意喚起をされたことがあります。
皮膚が赤くなる、力が入りにくくなる、体がだるい、
傾眠
・腎障害がある
・高齢者
より注意したいとことろです。
医療用酸化マグネシウム錠の秘密
秘密というほどではないのですが
あまり知られていない薬価についてです。
酸化マグネシウム錠剤の薬価
ご覧の通り
どの規格も1錠あたりの薬価は同じです(2023現在)
つまり250mg2錠と、500mg1錠では薬価は250mgの方が倍になってしまうんですね
「じゃあ、250mg2錠の患者さん見つけたら
500mg1錠に変えてあげればいいじゃん!」
って思って勝手に変えてしまうと
もしかしたら錠剤が大きすぎたかもしれないし、
用量を調整していたかもしれないので
良かれと思っても、勝手に変えてはいけませんね。
ちなみにメーカーの『ヨシダ』は
規格をかなり刻んでいます。
200, 250, 300, 330, 400, 500(mg)
「ヨシダ」といえば、以前はマグラックスと呼ばれていました。
マグミットと同様、ブランド的なイメージがありましたね🙄
錠剤はすべてジェネリック
そう、こちらも誤解されがちですが、
錠剤はどのメーカーもすべてジェネリックです。
たまにマグミットが先発と思われがちですが
マグミットもジェネリックです。
この『酸化マグネシウム』と同じように
ジェネリックなのに先発品と誤解されがちなものとしては
メチコバールやバイアスピリン
そしてカロナールなどがありますね
これらも他のジェネリックと薬価は同じ・・・と言いたいところですが、
メチコバールのみ訳あって、同じ後発品扱いなのに薬価は高いです(;´Д`A
重質酸化マグネシウム?
酸化マグネシウムの原末って色々な言い方をされていますよね
中でも重質と書かれているものがあり
これってなんだろう?と思ったことありませんか?
第十七改正日本薬局方の定義
「本品の5 gの容積が30 mL以下のものは
別名として重質酸化マグネシウムと表示することができる」
逆に軽質酸化マグネシウムは5gの容積が30mL以上の酸化マグネシウムとなる。
というわけで、
第10改正日本薬局方までは2つに分類されていたけど、
今は重質と書いていないから軽質なのか?と問われると、そうとは限らないかもしれないですね。
重質と軽質の剤形の特徴は?
普通の酸化マグネシウム、つまり軽質酸化マグネシウムでは飛散性が高く、
乳鉢・乳棒が付着するため、重質の方が扱いやすいメリットがある
でも患者さん的に気になるのは効き目ですね?
薬効的には軽質よりも重質の方が若干遅いといされているとのことです。
正直どちらでもいい気がしますね🤔
それよりも薬剤師的には調剤のしやすさの方が重要ですね。
酸化マグネシウム原末と細粒の違い
原末と細粒がありますが、これらの違いってなんでしょう?
局方散剤は酸化マグネシウム特有の不快な味を有しており、
服用時に口腔内への拡散、ザラザラ感等による不快感がある
う〜ん、これは嫌ですね・・・
で、このデメリットをコーティングや甘味料、香料などの使用で改善したのが細粒です。
ところで細粒ってメーカーごとに特徴はあるのでしょうか?
まず、薬価について
酸化マグネシウム細粒の薬価
原末はメーカーによって薬価は様々ですが、
細粒はどのメーカーも薬価は同じです。
そして細粒はどれも後発品で、錠剤みたいですね。
さらに、錠剤と同じで、
『ヨシダ』は細粒でも規格を刻んでいます。
ありがたいやら、揃えるのが大変やら(;´Д`A
ちなみに、原末から細粒に換算したい時は
細粒が83%なので単純に1.2倍するだけです。
逆の場合は1.2で割ればいいですね。
もちろん割り切れない場合もありますが、そこは仕方ありません(;´Д`A
分包品を揃えたいなら
『ヨシダ』で揃えておけば完璧です( ·ㅂ·)و ̑̑
酸化マグネシウム細粒のメーカーごとの特徴
細粒は現在4社から販売されています。(2023/6)
皆同じと思いきやそれぞれちょっとした特徴があるようです。
添加物も異なります。
酸化マグネシウム細粒『ハチ』
コーティングによる飲みやすさに加え甘味料である
スクラロースを添加してるので甘みがある
酸化マグネシウム細粒『ケンエー』
コーティングによる飲みやすさに加え香料を使用し、
レモン風味🍋の飲みやすい工夫がある
酸化マグネシウム細粒『ヨシダ』
コーティングに力を入れており
ザラザラ感や不快な味をマスクし甘みもなく癖がない。
そして分包品の規格がとても多い(๑ ́ᄇ`๑)
マグミット細粒
ヨシダ同様飲みやすさを重視
D-マンニトールを添加物に含むため若干甘みがある
というわけで、
甘みや、フレーバーがある『ハチ』や『ケンエー』は
粉薬が苦手な方も飲みやすいかも?
ただ、変に味がついているのが苦手な方もいるので
そういう方は『ヨシダ』ですかね・・・🙄
そはいえ、全部揃えている薬局はないので
まあ、なんとか工夫して飲んでほしいですね(;´Д`A
酸化マグネシウムが効かない人?
胃酸が必要なんだよ。って聞いたことありませんか?
それって本当でしょうか?
Interaction of magnesium oxide with gastric acid secretion inhibitors in clinical pharmacotherapy PMID: 24820768
酸化マグネシウムが効果を発揮するにはまず塩酸と化学反応を起こす必要があります。
MgO + 2HCl⇨MgCl2+H2O
そして最終的に
Mg(HCO3)2 や MgCO3
となって腸から水分を引よせ弁を柔らかくするわけですね。
ということはPPIなど強力な胃酸分泌抑制薬を服用している人は
その服用が中止されたら酸化マグネシウムの効果が高まる可能性があるし、
逆に、PPIを飲み始めたら、酸化マグネシウムの効果が下がってしまう可能性もありますね。
もちろん胃を全摘している方は胃酸が出ませんので
便秘薬に酸化マグネシウムを使うというのは意味がないそうです。
水酸化マグネシウムって?
マグネシウム製剤といえば
種類は少ないですが水酸化マグネシウムもありますね。
こちらの効能は制酸効果と便秘の2つです。
酸化マグネシウムのような尿路シュウ酸カルシウム結石の発生予防というものはありません。
水酸化マグネシウム
Mg(OH)2 + 2HCl⇨MgCl2+2H2O
酸化マグネシウム
MgO + 2HCl⇨MgCl2+H2O
大きな違いはないと言われていますが、
実は必要とする胃酸が酸化マグネシウムよりも水酸化マグネシウムの方が少なくても良いとのことで、
胃酸の減っているお年寄りや、胃酸分泌抑制薬を服用している人にも効果が期待できるとのお話です (byミルマグのロート製薬さん)
🔺反応式を見ただけではその辺りはわかりませんが、
体内では色々な条件によってそうなるようですね
また、水酸化マグネシウムの方は液剤があります。
そのため、嚥下困難の方などの選択肢になりますね。
また、この液剤は市販にもあり、錠剤が5歳からなのに対し
液剤は3歳から服用できるのが特徴です。
硫酸マグネシウムって?
ちょっとレアですが
硫酸マグネシウムも便秘の効能を持っています。
化学反応式はこちらです。
MgSO4 + 2HCl → MgCl2 + H2SO4
なるほど、他の2つが水ができるのに対し、こちらは硫酸
というわけで効能にも制酸効果はありません。
他の2つの方が明らかに使いやすいので、
これをあえて便秘薬に使われることはほとんどなさそうですね。
硫酸マグネシウムといえば、経口よりも注射剤としての使用の方がメインのようですね。
市販で買えるマグネシウム製剤の便秘薬
市販で買える酸化マグネシウムの違いについてです。
酸化マグネシウム単剤
◯ 便秘に伴う次の症状の緩和:頭重、のぼせ、肌あれ、吹出物、食欲不振(食欲減退)、腹部膨満、腸内異常醗酵、痔
医療用のような制酸剤としての効能はありません。
さらに崩壊しやすい剤形のため
錠剤が苦手でも噛み砕いて服用することもできそうです。
水分を引き寄せるため水分はしっかり摂った方がいいですね。
軽質酸化マグネシウムに近い剤形で
一般的な酸化マグネシウムよりも吸収が早いのがポイントだそうです。
あまり気にしなくてもいい特徴かもしれません(^◇^;)
吸収や効果にも差があるとのことですので、どうせなら少しでも効果が高い方を!
スルーラックや、コーラックMg、Amazonブランドなどたくさんあります
酸化マグネシウム+α
市販薬には他の成分が配合されたものがいくつかあります。
整腸効果も期待できます。
プランタゴ・オバタ種皮末を配合しています。
そもそも便のカサが少ないため便秘になりがちです。
こちらはさらに3歳から服用できるので
野菜嫌いのお子さんの便秘にも効果が期待できますね。
酸化マグネシウムは市販は現在錠剤しか剤形がないため5歳からなのに対し
ミルマグの液剤は3歳から服用できます。
さらに、効能に制酸効果があります。
ただし、制酸剤として使う時は液剤でも5歳から
(まあ、そんな小さな子に胃酸過多で使うことはないでしょうけどね)
味は特になく、無味ということなので比較的飲みやすいかも?
この他に錠剤もあり
錠剤の方はレモン🍋風味だそうです⬇︎
水酸化マグネシウムは、酸化マグネシウムよりも胃酸の量が少なくても効果が期待できるとのことなので、酸化マグネシウムで効果イマイチだな〜という方は
ちょっと試してみるのもありですね( ·ㅂ·)و ̑̑
錠剤の方が5歳からです。
でも、こちらは軟便にも効果が期待できるのがポイントですね。
さらに生薬も2種類配合されています。
せっかくなのでちょっと詳しく見てみましょう。
1日服用量(9錠)中
成分カテゴリー | 成分名 | 分量 | 働き |
---|---|---|---|
整腸生菌 | ビフィズス菌 | 60mg | 主に大腸で働く代表的な善玉菌で、悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を改善する |
ラクトミン(ガッセリ菌) | 60mg | 主に小腸で働く乳酸菌で、悪玉菌の増殖を抑える | |
酪酸菌 | 30mg | 胃酸に強い善玉菌で、ビフィズス菌の増殖を助ける | |
制酸剤 | 水酸化マグネシウム | 1,200mg | 胃酸を中和することにより、整腸生菌を胃酸から守る |
整腸生薬 | ケツメイシエキス (ケツメイシとして) |
150mg (1,500mg) |
腸を潤して自然な排便を促す |
健胃生薬 | チンピ末 | 300mg | 胃腸の機能を活発にし、便通改善をサポートする |
大まかな違いでした。
参考になれば幸いです
以前ビオフェルミンについてまとめました。
気になる方はこちらをどうぞ(๑•̀ㅂ•́)و✧
⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎
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